女性のスポーツ観戦を禁じてきたイラン【写真:Getty Images】
イランが現地時間の4日、大きなスポーツイベントにおいて、女性のスタジアム入場を認める意向であることを発表した。米紙『ニューヨーク・タイムズ』を含む複数のメディアが報じている。
同紙によれば、イランの青少年スポーツ省はレスリングや水泳といったユニフォームが身体をカバーする範囲が少ないスポーツのイベントにおいても、女性が参加することを許可すると伝えている。女性観客は特別席を設けられるとみられており、家族用の男女共用スペースも設置される見込みだ。
イランではセクシュアル・ハラスメントを禁じるため、女性のサッカースタジアム入場を禁ずる法律が制定されていた。2014年のワールドカップの際には屋外では大型スクリーンで試合実況を放送することも禁じられた。
近年、イスラム教圏での女性の行動制限は社会問題となっている。サッカー界では女性のスタジアム観戦をテーマを扱った映画「オフサイド・ガールズ」が2006年に公開され、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞していた。
これらの現状を受けて、国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長は今年3月に状況を改善するよう呼びかけていた。
今回の発表を受けて、同会長はツイッターにて「すぐにサッカースタジアムでも女性がみられるようになることを願っている」とコメントした。
Hearing encouraging reports from Iran on women's access to sport venues. Hoping to see women at football stadiums there soon.
— Joseph S Blatter (@SeppBlatter) 2015, 4月 6
2022年にはワールドカップがカタールで開催される。イスラム教圏の人々に配慮した環境の整備はサッカー界の課題であり、今後の展開に注目が集まる。
【了】