当たり負けしない森重
14日に行われる南米の強豪ウルグアイとの親善試合に向け、「新たなステージ」と語る日本代表のザッケローニ監督は、東アジアカップに出場した10人の選手をピックアップ。その内、6人は日本が優勝した大会で初キャップを飾った選手たちだ。
その中でディフェンスラインは森重真人、ボランチでは青山敏弘と山口螢がフレッシュな国内組として加わっている。守備の要となるセンターバック、そしてザッケローニ監督が“チームの心臓”と表現するボランチだけに、残り1年を切ったところで新戦力を組み込むのは簡単ではないが、彼らの特徴から、指揮官が本大会に向けチームに加えたい要素が見えてきそうだ。
その手掛かりとして、筆者の視点から3人の選出理由を簡潔にまとめた。
1.森重真人
東アジアカップのメンバー発表時、ザッケローニ監督は「ビルドアップもできるし、守れるし、空中戦も強い。高いポテンシャルを生かして、ぜひ代表争いに食い込んでほしい」と語り、守備陣の中でも特に期待の高さうかがわせた。
攻撃的なスタイルを掲げる指揮官だが、コンフェデレーションズカップの3試合で9失点した事実は重く受け止めており、組織をベースとしながら、厳しい状況でも個で守り切れる人材を探していた。
東アジアカップでは、連係面や細かい状況判断に粗削りな部分が見られたものの、中国と韓国の大型FWに当たり負けせず、時に粘り強い対人戦で失点を防いだパフォーマンスを高く評価したのだろう。
落ち着いたビルドアップや、主体性をもって守備を統率しようとするメンタリティも好感が持たれたはずだが、世界の強豪との戦いを想定した場合、現在のメンバーでは最も頼りになる選手の一人だろう。ワールドクラスのFWを相手にするウルグアイ戦は出場チャンスがあれば、まさしく森重の試金石になる。