実現した“3枚看板”との競演
ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督の初陣となった27日のチュニジア戦(大分)。時差と移動疲れから相手がペースダウンしてきた後半27分、指揮官は0-0の均衡を打ち破るべく、本田圭佑(ミラン)と香川真司(ドルトムント)のダブル投入に続き、岡崎慎司(マインツ)と宇佐美貴史(G大阪)を2枚代え。
岡崎の1トップの背後に本田、香川、宇佐美を2列目右から並べるという超攻撃的布陣にする大胆策を見せたのだ。
「技術的に高く、そこをストロングポイントにしている選手たちであれば、特に話し合わなくても感じられる部分があると思う。だから、自然に試合の中で合わせられるイメージも自信もあります。
真司君と横に並んだ場合も真司君に任せとけば大丈夫。真ん中で受けてそこから作れる選手なんで、任せるところは任していけばスムーズにいくと思います」と宇佐美は本田、岡崎、香川の日本代表攻撃陣の3枚看板との競演を思い描いていたが、それがいきなり現実となった。
彼ら4人に託されたのは、ゴールと勝利という結果しかない。それを貪欲に追い求めるべく、宇佐美も献身的なプレーを見せる必要がある。
Jリーグでは日頃、オフ・ザ・ボールの動きに課題を抱えていると言われる彼が、前線から長い距離を走ってボールを追う姿を目の当たりにして、同僚の藤春廣輝が「ヒガシ君(東口順昭)と『ガンバであんなの見たことない』と話しました」と言うほど、彼は日本代表初舞台に全精力を注ぎ込んだ。
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