補強の方針が不安定なバルサと、イスコが鍵となるレアル
バルセロナと言えば、テルモ・サラの持つリーガ通算得点記録をついに今シーズン更新したリオネル・メッシや、ブラジルの至宝ネイマール、ブラジルW杯の噛みつき騒動で世間を賑わしたウルグアイ代表ルイス・スアレスなど、強烈な個性を放つタレントが攻撃の中心を担う。その光景は一見豪華な陣容に映るが、岡田氏はバルサの補強方針に疑問を呈している。
「バルセロナのやり方は、アウトサイドにある程度張らせて、そこから中に入っていくスタイル。ネイマールとルイス・スアレスは中の選手。サイドに張る選手ではない。(メッシを含めて)3人を同時に使うと、最初は3トップのように中に3人がポジションを取る形になって、そこから外のスペースを使うことになる。それじゃ、バルセロナらしさが出ないと思っていました。
これは、はっきり言うとルイス・エンリケどうこうよりも、補強の考え方。ネイマールを獲った時にびっくりしました。バルセロナのタイプ(の選手)では無いと思ったから。点は取る。でも、それで点を獲るならレアル・マドリーじゃないか。そういうイメージがあります。ネイマールはリスキーなボールの取られ方をするのになぜ獲得するんだろうと。それでも、最近はバランスが良くなってきた気がします。なんとか合わせているルイス・エンリケは頑張っていると思います」。
一方のレアル・マドリーに関しては「レアル・マドリーの中では珍しくバルセロナタイプの選手」ことイスコに着目。岡田氏は戦術面でハメス・ロドリゲス、クロース、イスコが陣取るレアルの中盤について言及し、カルロ・アンチェロッティ監督のチャレンジについて独自の推察を披露した。
「多分、モウリーニョも一回やったけど、自分の新しいことにチャレンジしているんだと思います。どうしてもレアル・マドリーはカウンターサッカーだと言われ続けてきた中で、モウリーニョはビルドアップしていくサッカーをやりたがっていた。そうすると、ボランチで後ろからボールを受けられる選手、例えば日本で言うと遠藤みたいな選手がいないと難しい。
イスコは相手のディフェンスラインと、中盤のラインの間に顔を出してボールを受けられる選手。レアルの選手は、ラインの間に顔を出して、前を向いて受けたりする。その時がスルーパスのチャンスになる」とイスコの動きや、彼らしいプレーがレアル・マドリー勝利の鍵を握ると指摘した。