永井選出の意図とは?
ハリルホジッチ監督が就任して最初のメンバー発表が行われた。海外組に関しては霜田正浩技術委員長が事前に招集レターを送っていたこともあり、ほぼ予想された通りのメンバーとなったが、31人+12人のバックアップメンバーという選考にハリルホジッチ監督の色が表れている。
特徴的なのは永井謙佑(名古屋グランパス)の選出だ。50mを5秒台で走るスピードの持ち主であり、縦の意識を前面に押し出すプレースタイルを売りとしている。
ハリルホジッチ監督はここまでブラジルW杯とアジアカップの全ての日本戦を映像チェックしたというが、そこで最も不足を感じたのが縦のスピード感だったことは永井の選出理由にはっきりと表れている。
「昨日の夜(ナビスコ杯の川崎F戦)、永井を見た。スピードに関しては素晴らしいものを持っている。現代フットボールに必要なものを持っていると感じた。非常に重要なクオリティーであり、今のサムライブルーに少し足りない背後へのスピードをもたらせるのではないか」
その永井をメンバー構成の時点では右ウィングに配置しているのも特徴的で、サイドアタッカーには純粋にサイドで起点になるわけでなく、ワイドな位置からもDFラインの裏を狙うことで、攻撃にスピード感を出し、相手のディフェンスを切り崩したい意図が見える。
「彼がプレーすることでより(チームの)プレースピードが速くなるだろうし、背後を突くシチュエーションが出てくると思う。背後にたくさんボールを要求することによって、どんどん得点の可能性が出てくる」とハリルホジッチ監督は永井の選出理由に日本の課題を重ね合わせた。
もちろん右ウィングの候補には本田圭佑(ミラン)がおり、左利きで中央に流れるスタイルの本田は永井とは全く違う特徴を持っているわけだが、攻撃のスピードアップという部分で永井あるいは小林悠の起用がより適していると評価すれば、本田はトップ下で香川真司(ドルトムント)や清武弘嗣(ハノーファー)らとポジションを争う構図も考えられる。