アフリカにルーツを持つフェライニ
エバートン時代のフェライニ【写真:Getty Images】
モロッコにルーツをもつ両親(父親は元プロ選手)のもとでブリュッセルに生まれたマルアン・フェライニは、8歳のときにアンデルレヒトの下部組織でキャリアをスタートさせた。自宅から10キロ離れた練習場には、仲間がバスや車を利用するなか、走って通っていたという。
2004年に日本代表のGK川島永嗣が現在所属するスタンダール・リエージュへ移り、2年後、17歳でトップチームと契約。2008年のリーグ優勝の功績が評価され、エボニー・シュー(ベルギー国内のアフリカ人選手に与えられる賞)を受賞する。
シーズン終了後、194cmの身長と鋼の肉体を誇る大型MFは、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘンなどから関心を示されるなか、デイビッド・モイーズ監督(現ソシエダ)が率いていたエバートンへの移籍を決意。移籍金1500万ポンド(約26億円)は、ベルギー人選手としても、クラブが支払った額としても当時の史上最高だった。
移籍初年度のフェライニは、最初の17試合で10度の警告を受けてしまい、プレミア審判団から聴取される。同選手は、残り16試合で3度以内に抑えること約束したが、結局シーズン合計ではリーグ最多の警告数を記録してしまった。しかし、30試合8得点とFAカップ決勝進出の実績が認められ、クラブからは年間若手最優秀選手に選ばれた。
フェライニは徐々にクラブの中心人物となり、2011-12シーズンにはリーグ2位のタックル数とリーグトップのボールキープ数を記録。2012年11月にはプレミア月間最優秀選手にも輝いている。また、彼のトレードマークであるアフロヘアーは、エバートンサポーターから絶大な人気を集め、ヘアースタイルを真似たカツラを被ってスタンドに駆けつける者も現れるようになった。