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AT17分も逆転ならず。ウェスタンシドニー、現役セレソンのハットトリックに屈する

text by 編集部 photo by Getty Images

Western Sydney v Guangzhou Evergrande - Asian Champions League
ハットトリックでウェスタンシドニーを圧倒したリカルド・グラール【写真:Getty Images】

【ウェスタンシドニー・ワンダラーズ 2-3 広州恒大 ACLグループH第2節】

 AFCアジアチャンピオンズリーグのグループリーグ第2戦が4日に行われ、ウェスタンシドニー・ワンダラーズと広州恒大の新旧王者対決が実現した。

 ホームのウェスタンシドニーは今冬獲得した高萩と田中が揃って先発出場。田中は左SB、高萩は4-3-3のインサイドハーフで起用された。

 先週末のシドニーダービーで2得点を挙げて一躍ヒーローとなったブラットはベンチスタートとなり、エースのユリッチが先発メンバーに復帰している。

 一方の広州恒大は先月25日のFCソウル戦でACLデビューとなったブラジル代表FWリカルド・グラールが引き続き先発出場するが、ザルツブルクから加入したFWアランが直前に負傷して欠場となってしまった。

 試合は両者とも攻守の切り替えが早く、迫力のある攻めで相手ゴールに迫る。リーグ戦では不調のウェスタンシドニーもアジア屈指のタレント集団広州恒大に臆することなく果敢に立ち向かった。

 しかし、そのウェスタンシドニーにトラブル発生。18分にDFハミルが負傷してプレー続行不可能となり、ギャラウェイとの交代を余儀なくされる。

 直後の19分、右サイドからのクロスをファーサイドでエウケソンが折り返し、最後はリカルド・グラールの2試合連続となるゴールで広州恒大が先制に成功する。

 ウェスタンシドニーは選手交代でエリア内のマークが曖昧となり、ブラジル代表FWを一瞬フリーにしてしまった。

 44分、ウェスタンシドニーはCKにDFトパー=スタンリーが頭で合わせるも、シュートは枠のわずか左に外れた。前半は広州恒大の1点リードで折り返す。

 後半に入ると決定機の数は減ったが、57分、ウェスタンシドニーはCKに対してニアサイドに飛び込んだラ・ロッカが合わせて同点に追いつく。

 その喜びもつかの間、プレーが再開してすぐの59分、ガオ・リンのクロスに先制点を挙げたリカルド・グラールが合わせて広州恒大が勝ち越しに成功した。

 そうなるとリカルド・グラールは止まらない。65分、今度はカウンターからガオ・リンのパスを受け、GKコビッチが飛び出して無人のゴールに流し込んでハットトリックを達成。リードを2点に広げた。

 反撃したいウェスタンシドニーは70分、高萩のFKに途中出場のスピラノビッチが飛び出してヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたが、これにはオフサイドの判定でノーゴール。これにはスピラノビッチも頭を抱えた。

 最終的にはオフサイドとなったが、このプレーで味方選手と交錯した広州恒大の守護神ゼン・チェンが頭を負傷し、立ち上がれなくなってしまう。

 ゼン・チェンはそのまま医療チームによる応急処置を受け、担架に乗せられてピッチを後にした。

 ウェスタンシドニーは88分に好調のブラットを投入して状況の打開を図る。

 すると94分、右サイドに開いたルカビチャが左足でクロスを上げると、途中出場のカステレンがニアサイドでヘディングシュート。ウェスタンシドニーは驚異の粘りを見せ、土壇場で1点差に迫る。

 その後もゼン・チェンの負傷で17分と異例の長さになったアディショナルタイムに怒涛の攻めを見せて逆転を目指したが、一歩及ばず。ウェスタンシドニーはリカルド・グラール1人に現役ブラジル代表の力を見せつけられる形で惜しくも敗れた。

 ACL2連勝を飾った広州恒大の次戦はホームでの鹿島アントラーズ戦。敗れたウェスタンシドニーは同日アウェイでFCソウルと対戦する。

【了】

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