支配率、パス数で圧倒も内容ではキエーボに軍配
25試合を終えて、8勝10分け7敗の暫定9位。「欧州カップ戦出場権獲得」を目標に今シーズンをスタートしたミランにとって、この成績は不本意なものかもしれない。
しかし、現在のチーム状態、チーム力、選手のパフォーマンスは9位という順位に偽りなく反映しているように思う。
フォリッポ・インザーギ監督は、3試合ぶりの勝利を手にした前節チェゼーナ戦に続いて4-3-1-2のフォーメーションを採用。トップ下にはボナベントゥーラを起用し、本田圭佑はまたもベンチスタートとなった。
このフォーメーション変更についてインザーギ監督は「ポゼッションを増やすため」と説明していたが、このキエーボ戦の支配率は60%、パス本数は513本を出して415本を通した。
相手のキエーボが40%の支配率で321本のパスを出し、通した数は246本にとどまったことからも、その狙いは果たせていたということになる。
ただ、ミランの問題はそこではない。本コラムでも何度か指摘しているように、今季のミランは必ずしも支配率と勝利が比例しているわけではない。序盤と現在では戦い方が大きく変わっているとはいえ、勝利を収めた試合で50%を切った試合もあった。
実際、この試合のデータを見れば、ミランの問題は明らかとなっていた。まず、キエーボよりも192本も多くのパスを出し、169本も多く通していることを念頭に置いて見てほしい。
アタッキングサードでのパス本数 ミラン103本:キエーボ100本
チャンスメイク数 ミラン6回:キエーボ8回
シュート本数 ミラン8本(枠内5本):キエーボ11本(8本)
イターセプト数 ミラン11回:キエーボ21回
クリア回数 ミラン33回:キエーボ15回