メッシとのエピソードを振り返るスコールズ氏
私にとって決して忘れられない瞬間だ。リオネル・メッシは私をかわして、伸ばした足の上を越えて行こうとした。2008年のオールド・トラッフォード、チャンピオンズリーグ準決勝のバルセロナとのセカンドレグでのことだ。1-0でリードしていた状況で、エリア内でのファウルを犯してしまった。
バルセロナを下したユナイテッドは、サー・アレックス・ファーガソン時代で2度目となるチャンピオンズリーグ優勝のタイトルを獲得することになったが、あの年の大会やあの試合を振り返る時にいつも思い出すのはメッシへのタックルだ。
確かに私は試合の唯一のゴールを記録したし、素晴らしいゴールでもあった。だが、世界最高のフットボーラーにファウルを誘われたあの一瞬を決して忘れることはできない。世界が崩れ落ちるのを待つような一瞬だった。
バルセロナにPKが与えられるはずだったし、アウェーゴールを奪われれば勝ち進むのは彼らの方だった。だが何らかの理由で主審はPKを取らず、試合はそのまま続行され、メッシも特に騒ごうとはしなかった。束の間の安堵感に支配された後、私はまた試合へと戻っていった。
結局メッシには借りを返されてしまった。私はキャリアの中でメッシとは4回対戦した。2008年のホームとアウェーの2試合、それからどちらも交代出場だった2009年と2011年のチャンピオンズリーグ決勝だが、2試合ともバルセロナに完敗を喫することになった。
メッシは来週またマンチェスターに戻ってきて、チャンピオンズリーグのベスト16でマンチェスター・シティと対戦する。最高のフットボーラーの一人である彼がピッチに立つ姿を見られるのはいつでも喜ばしいことだ。