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災難続いた新年のレアル、暗闇を照らしたマラガ生まれの魔術師:イスコ

text by 編集部 photo by Getty Images

災難続いた新年のレアル、暗闇を照らしたマラガ生まれの魔術師:イスコ
レアル・マドリーのMFイスコ【写真:Getty Images】

 バレンシアの下部組織出身のイスコ・アラルコンは、2011年にマラガと契約を交わし、同クラブを史上初のチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位に導いた。レアル・マドリーは2013年、当時20歳と言う若さによってスペインリーグの注目を浴びたイスコに移籍金3000万ユーロ(約38億円)を叩いて物にした。

 今季は2015年になるまで22連勝を飾っていたマドリーだったが、アトレティコ・マドリー相手にカップ戦敗退、リーガでもアトレティコに歴史的な4-0での大敗を喫するなど、災難な新年を迎えた。クリスティア-ノ・ロナウドやギャレス・ベイルでさえも照らせなかった暗闇の中で輝いているのは、イスコである。

 18日に2-0で制したチャンピオンズリーグ(CL)ベスト16・1stレグのシャルケ戦を観なかった者にとっては、主役は得点を決めたロナウドとマルセロだったかもしれない。

 しかしマドリーの勝因は、大半イスコにあったと言っても過言ではない。シャルケ戦でイスコが49回出したパスの内44回は成功し、5回試したドリブルでは必ず相手を抜いていた。この試合だけではなく、新年を迎えてからイスコはマドリーの原動力となっており、思うままにプレーしていると言っても良い。

 守備面においては、7度に渡って相手ボールを奪取している。現地でも今季のイスコは守備意識を高めたことによって、より完璧な選手になりつつあると高く評価されている。

 生まれは南スペインのマラガであるが、プレースタイルだけを見れば、ブラジル人かと思わせるトリッキーな動きを見せる。ワンタッチで自分がドリブル、パス、シュートしたい方面にボールを置くのが絶妙だ。トラップに関しては、ジダンに似ているとも言われるほどのテクニシャンで、そのプレーぶりはまさに“魔術師”のようだ。

 スペイン代表でもバルセロナのMFアンドレス・イニエスタの後継者と称えられている。ブラジル・ワールドカップには招集されなかったが、この調子を維持すれば2016年にフランスで開催されるEURO(欧州選手権)に呼ばれることは間違いないだろう。

【了】

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