マインツの戦略を狂わせた“早すぎる先制点”
試合開始前からスタジアムは特別な高揚に包まれた。ドルトムントとの契約延長というロイスの決断―それはフライブルクでの快勝に続いて、BVBをさらに1つに、奮い立たせることとなった。香川の言う「勝てる雰囲気」が充満していた。
2015年2月13日、ブンデスリーガ第21節、16位ドルトムントはホームに13位マインツを迎える。
ドルトムントの対マインツ戦の先発メンバーは次のとおり。布陣は4-2-3-1である。
【GK】バイデンフェラー、【DF】右SBピシュチェク、右CBスボティッチ、左CBソクラティス、左SBシュメルツァー、【MF】ボランチにサヒン、ギュンドアン、2列目は右からカンプル、香川、ロイス、【FW】オーバメヤン。
ドルトムントを相手にマインツは、4バックにトリプル・ボランチで臨んだ。しかし多くのチームがドルトムントを相手にそうしたように、ベタ引きという訳でもない。マインツで先発の岡崎慎司は言う。
「点が入ったので、それで相手にフリーで持たせるよりは、どこかでプレッシャーを掛けないとそっちのほうがこのチームはやられるかなあと」
1分、マインツの先制「点が入った」。マリからペナルティエリア内の岡崎へのパスを、バイデンフェラーが飛び出してパンチングで弾き出す。そのボールをそのままソトが、空いたゴールに蹴り入れた。
しかし早すぎる先制点は、マインツの戦略をどこか中途半端なものにしてしまったようだ。少し高く設定されたDFラインは、例えば15分、ロングボールのターゲットとなったオーバメヤンからオフサイドを取ることなどでは有効だった。