「前線から守備がハマっていた」
言葉に偽りはなかった。アジアカップを終えてドルトムントに合流してから、例えば1月31日レバークーゼン戦の後には「凄く良い」と口にしてコンディションに手応えを感じて来ていた香川は、遂に先発の座を再び掴む。
状態の良さは、試合開始前の何気ないアップにも見て取れる。ウォーミング・アップでチームメイトとのボール回しに興じる香川は軽やかだった。
2015年2月7日ブンデスリーガ第20節、ドルトムントの対フライブルク戦の先発メンバーは次のとおり。布陣は4-2-3-1である。
【GK】ヴァイデンフェラー、【DF】右SBピシュチェク、右CBスボティッチ、左CBフンメルス、左SBシュメルツァー、【MF】ボランチにサヒン、ギュンドアン、2列目は右からカンプル、香川真司、ロイス、【FW】オーバメヤン。
香川の先発は、昨年11月30日のフランクフルト戦以来、実に7戦ぶりのこととなる。
この試合でのフライブルクに対しては、ドルトムントのプレッシングが効果的に機能した。試合後に香川が「立ち上がりから上手く前線から守備がハマっていた」と述べたように、キックオフの笛が鳴るや否や、オーバメヤン、香川、ロイスの3人で、相手に対して猛然とプレスを掛けていく。
その形がそのまま実ったのが、ロイスの先制点だった。9分、香川とロイスのプレスが、マイクのミスパスを誘う。オーバメヤンがかっさらって、最後はロイスがきっちり決める。1-0。
「前半はある程度ロングボールを覚悟していた」と香川が言うように、フライブルクも引いて構える、ロングボールを多用するなど、ドルトムントのプレスを交わす策を講じて来る可能性もあったが、実際のところは素直に勝負を挑んできた。相手が向かってきた場合、BVBは力を発揮する。プレスを掛け易くなるからだ。