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本田圭佑 10年前

本田かチェルチか。バランスと突破力、それぞれに異なる利点。ユーベ戦へインザーギの選択は?

セリエA第22節、ミランはユベントスと対戦する。イタリアの地元紙ではスタメン予想に本田圭佑の名前はなかった。しかし、実際は選択を迷っているという。バランスの本田、突破力のチェルチ。強敵を相手にインザーギの選択に注目が集まる。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

タソッティ助監督「頭を悩ませていることの一つ」

本田かチェルチか。バランスと突破力、それぞれに異なる利点。ユーベ戦へインザーギの選択は?
体調不良のインザーギ監督(左)に代わってタソッティ助監督(右)が記者会見に臨んだ【写真:Getty Images】

 6日、イタリアの各スポーツ紙は第22節の予想スタメンを掲載したが、ユベントスvsミランの予想スタメンに本田の名前はなかった。

 システムは前節のパルマ戦の4-4-2から、4-3-3に戻されている。ローマから移籍したFWデストロがパルマ戦でイエローカードをもらい、累積警告で出場停止となったためだ。そして3トップはメネズを中央に置き、右サイドにチェルチ、左サイドにボナベントゥーラとなっていた。

 ただ実際のところ、彼らはまだ選択を迷っているようである。ズバリそれは、本田かチェルチか、という選択のようだ。左はボナベントゥーラで決まり。彼はインサイドMFも可能だが、発熱したインザーギ監督の代わりに6日の会見に出席したタソッティ助監督は「出すとしたら3トップとしてだ」と語った。

 あとは、右ウイングを2人で争うことになるが、「明日(7日)の試合に向けて我われが頭を悩ませていることの一つ」とタソッティは言う。それぞれに異なる利点があり、どちらを取るかの選択になっているのだ。

「本田を起用すると、チームのバランスはより良好に保たれる。一方チェルチは彼のクオリティで試合の均衡を破ることができる」

 チームのバランスを保つこと、つまり味方との連係や、守備でのコンパクトさを保つ上では本田に分がある。パスを繋げるし、スペースを空けるのでSBも上がりやすい。攻め上がった後も勤勉に戻り、守備に参加したのちに組み立てにも手を貸してくれる。

 つまりチェルチという選択は、その点でリスクを負うことを意味する。だがその代わり「試合の均衡を破るクオリティ」、すなわち突破力がある。連係が構築されていなくても、スペースでボールを受けさえすれば、単独でシュートやクロスへと結びつけてくれる。

 ざっくりとした言い方をすれば、バランスを重視すれば本田、バランスを崩してでも攻めたければチェルチ、ということになる。

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