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ユヴェントスが不振にあえいでいる。昨季、ボローニャをリーグ戦5位に導いたチアゴ・モッタ監督には多くの期待が寄せられたが、ここまでの結果を見る限り、チーム状況が良いとは言えないことは明らかだ。原因は何なのか? そこには、トップチームを率いてまだ6年目の新鋭指揮官だからこその大きな問題があるように見える。(文:佐藤徳和)
格下のエンポリ相手に恥ずべく敗戦
【写真:Getty Images】
それは歴史的敗北だった。ユヴェントスは2月27日、本拠地でのコッパ・イタリア準々決勝でエンポリを相手に、1-1からのPK戦の末に敗れ、敗退した。
その翌日、『ガッゼッタ・デッロ・スポルト(以下、ガッゼッタ)紙』には、イタリア語で「恥」を意味する“Vergogna”の痛烈なタイトルが踊った。その理由は、昨季のコッパ・イタリア覇者で、史上最多の15度の優勝を誇るイタリアの盟主が、過去に公式戦で35回対戦して5回しか敗れていないプロヴィンチャのエンポリに黒星を喫したからだ。
エンポリは今季のリーグ戦で第16節以降、勝利から見放され、2分9敗と降格圏の泥沼に陥っている瀕死の状態のチームだ。ユーヴェが恥ずべく理由はそれだけではない。エンポリのスタメンには、今季のセリエAよりもプリマヴェーラでの試合数が多い、3人の10代が名を連ねていた。武勲をたてた敵将のロベルト・ダヴェルサは、4日後に控えていたリーグ戦に照準を合わせて臨んでいたのは明確だ。
ユーヴェの今季がスタートした時点の年俸総額は、1億1170万ユーロ(約178.7億円)。エンポリのそれは5分の1以下の2040万ユーロ(約32.6億円)である。ユーヴェは、そんな明らかに劣る格下のセカンドチームのような相手に辱めを受けた。
チアゴ・モッタ監督は試合後の会見で次のように語った。