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コラム 14時間前

マンUは時代に乗り遅れている。“アカデミーを大切に”の文化が原因? 変化するトレンドとの間に生まれた深刻なズレ【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

マンチェスター・ユナイテッド最新ニュース

 プレミアリーグ最多優勝を誇る名門マンチェスター・ユナイテッドが苦境に立たされている。低迷の理由は様々ある中で、彼らが大切にしてきた「アカデミー出身の選手」の在り方と世の中のトレンドとの間にズレが生じてきたことも一因として考えられる。なぜ、彼らは時代に乗り遅れたのだろうか。

ピッチ内外で問題を抱えるマンチェスター・ユナイテッド

マンチェスター

【写真:Getty Images】

マンチェスター・ユナイテッドにまつわるニュースはネガティブなものばかりだ。

 

 結果論ではあるが、エリック・テン・ハフ前監督を解任する時期を誤った。昨年11月にルベン・アモリムを新監督に招聘するも、低迷する名門を立て直すことができていない。

 プレミアリーグでは第27節終了時点で14位に沈み、カラバオ・カップとFAカップはすでに敗退。来季の欧州カップ戦出場権を確保するためには、UEFAヨーロッパリーグ(EL)を勝ち進む以外に選択肢はない。国内外において難しい戦いを強いられている。

 プレミアリーグ最多優勝記録を誇る名門が低迷している理由を挙げればキリがない。ピッチ上にとどまらず、多くの問題を抱えているのだ。

 ユナイテッドは世界的なブランド力があるお陰で、低迷している現在も多額の収益をあげている。アメリカ『デロイト社』が発表した2024年のサッカークラブの収益ランキングでも世界4位にランクインしていた。

 この事実があるにも関わらず、経営難に陥っているのだ。その最大の元凶はオーナーの「グレイザー一家」だろう。ユナイテッドを買収した際に必要としたコストの全額(7億9000万ポンド)をクラブの負債にした影響で、現在も無駄に多額の利息を払い続けているとされている。

 選手や監督への人件費コストが増加した影響も重なり、今年1月には、2019年から5年連続での赤字を計上したことが明らかに。それを受けて、『The Athletic』がPSR(プレミアリーグの収益性と持続可能性に関する規則)に違反する可能性があることを、先月には『BBC』が最大200人の従業員を解雇するニュースを報じて話題を集めた。

 ジム・ラトクリフ卿が率いるINEOSの経営参画以降もオーナーの座に居座り続ける彼らがクラブの「癌」であることは言うまでもないが、今回は敢えて「アカデミーの在り方」に絞って低迷の理由、そしてクラブの未来に向けて展望していきたい。

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