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異様な光景とも言えるだろう。した側もされた側もファウルだと思っていたプレーが、ノーファウルとして流されてしまう。そんなシーンが今季は明らかに増えているように見える。果たして判定の基準変更は日本のフットボールを正しい方向へ導くのか。数値の変化や現場の声を拾いながら、その価値を検証したい。(取材・文:編集部)
Jリーグの判定は悪循環に陥っているのではないか
今季のJ1が開幕して第4節まで終了したが、これまでのシーズン以上に審判団の判定基準がネガティブな話題に上っている。特に、アクチュアル・プレーイング・タイム(APT/実質的なプレー時間)を伸ばそうという取り組みに付随した、コンタクトの許容度を上げる判定基準の変更は選手たちやチームの戸惑いを呼んでいる。「激しい」ではなく「危ない」プレーまで見逃されることによって試合が止まる悪循環に陥っているのではないか。
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今季のJリーグ開幕前に行われたイベントで野々村芳和チェアマンはAPT増加が取り組む項目の1つだとして、プレー強度と判定基準について言及していた。J1開幕節の先行開催となった2月14日の大阪ダービー、ガンバ大阪とセレッソ大阪の試合はゴールにつながるアドバンテージの判定もあり良いスタートだった。選手からは「割と流すなと感じた」程度の言葉があるにとどまったが、まとまった試合数が消化された翌日からは新しい基準がJリーグの姿を変え始めた。
ボールに対するプレーの過程で多少の接触があることは「フットボール・コンタクト」として認められる。しかしながら、ボールではなく相手の体にプレーするような当たり方までノーファウルとして流されることで、選手たちはそうしたプレーを増やした。それはある種の必然で、例えば浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は前述の大阪ダービーの試合をチェックしたうえで、翌日にヴィッセル神戸との開幕戦に臨む選手たちへ判定基準について話したことを、のちの記者会見で明かしている。
そのような傾向に進んでいることは、選手の安全を脅かすようなプレーの増加につながっていないか。