喜びを爆発させるイラクの選手たち【写真:Getty Images】
【イラン 3-3(PK6-7) イラク アジア杯準々決勝】
AFCアジアカップの準々決勝が23日に行われ、グループC首位のイランとグループD2位のイラクが対戦。全6得点が生まれたが、延長戦でも決着がつかず、PK戦の末イラクが準決勝進出を決めた。
序盤から主導権を握るイランは24分、右サイドを突破したDFガフーリのクロスにアズムンが飛び込んで先制に成功する。
リバプールからの関心も噂される20歳のストライカーはグループリーグ第2節カタール戦に続く今大会2得点目となった。
早く1点が欲しいイラクだが、イラン守備陣を前にサイドからの単調な攻撃に終始し、なかなか決定機をつかむことができない。
しかし、イラクは思わぬ形で大きなアドバンテージを手にする。43分、イラクのGKハッサンが完全にキャッチした後のボールに、イランの左SBプーラディが足を出してしまう。
それに激怒したハッサンが立ち上がってプーラディを突き飛ばし、一瞬エキサイトしかけたが、主審はイラン代表DFにイエローカードを提示。すでに1枚警告を受けていたプーラディは退場となってしまった。
後半開始から両チームとも選手交代で若干の修正を施す。10人になったイランはショジャエイを下げてアミリを投入。プーラディが抜けた左SBにはハジサフィが入った。
対するイラクは前線で孤立していたメラムを下げてフセインをピッチへ送り出し、1人多いアドバンテージを生かして同点ゴールを目指す。
すると56分、それまで消極的な姿勢が目立っていたイラクはコンビネーションで左サイドを突破し、エリア内へクロスを送る。ゴール前でマフムードがつぶれて、こぼれたボールをアーメド・ヤシーンが角度のないところから叩き込み、待望の同点ゴールを手にした。
10人のイランは攻めに人数を割くことができず、同点ゴールで勢いを増したイラクに対して劣勢に立たされ、さらに追い打ちをかけるようにアズムンが足をつって交代を余儀なくされるなど嫌な流れが続く。
84分、イランはグーチャンネジャードを投入して90分で決着をつけるべく勝負に出る。
だが、90分間では1-1からスコアは動かず、延長戦に突入する。
そして延長前半開始直後の93分、イラクがついに逆転した。左サイドを突破し、低い弾道のクロスをゴール前に蹴りこむと、ボールはイランDFに当たってファーサイドへ。それをイラクの大エース・マフムードがダイビングヘッドで押し込んだ。
逆転を許した1人少ないイランだが、諦めは一切ない。103分、ティムリアンのCKに後ろから飛び込んだプーラリガンジが頭で豪快に決めて2-2の同点とする。
延長後半に入って114分、イランにこの試合最大のピンチが訪れる。直前に同点ゴールを決めたプーラリガンジがエリア内でイラクの選手を倒してしまい、イラクにPKが与えられる。
そのPKを20歳の左SBイスマイールが冷静に決めてイラクが再び1点のリードを取り戻した。
しかし、これでも勝負は決まらない。119分ティムリアンのCKからネコーナムのヘディングは相手DFに阻まれ、さらにこぼれ球をシュートするも、今度はクロスバーに当たってしまうが、グーチャンネジャードが押し込んで土壇場で同点に追いついた。
121分、イランの守護神ハギギが捕球しようとした際、イラクのFWフセインが足を出して衝突し、両チームがエキサイト。フセインにはイエローカードが提示されたが、ハギギは右肩を痛めてしまう。
延長戦に入って4点が生まれた試合は120分でも決着がつかず、PK戦に突入した。
イランの先攻で始まったPK戦だが、1人目のハジサフィが大きく外してしまう。しかし、イラクも1人目のアブトゥラミールが失敗。
その後は両チームとも5人目まで全員成功。サドンデスに突入する。
7人目までは両チームともミスなく成功したが、イランの8人目アミリがポストに当ててしまう。そしてイラクの8人目シャキルは慌てることなく成功し、PK戦6-7でイラクが死闘を制した。
この激戦に勝利したイラクは26日の準決勝で韓国代表と対戦する。
【了】