Jリーグにとって最高のプロモーション
70~80年代の日韓戦を思わせる試合だった。韓国のハイクロスを多用した波状攻撃、耐える日本、激しい局地戦…ただ、かつては力尽きて敗れることが多かったのだが、今回は少ないチャンスを確実に決めて勝利した。
東アジアカップは新戦力の見極めがテーマだった。しかし白熱した試合の結果、ホームの韓国を下して優勝したことで別の価値が生まれた。Jリーグのプロモーションとして、これ以上のものはないだろう。
地上波で放送される 代表戦は広く注目されるが、日本代表のプレーヤーはほとんどがヨーロッパのクラブに所属していてJリーグにはあまり波及効果がない。国内組で先発するのは遠藤保仁と今野泰幸ぐらい。
今季、J2でのガンバ大阪の試合は多くの観客を集めていて、とくにアウェーではガンバ大阪効果がはっきりしている。つまり、代表にJリーガーがいれば確実にJリーグの宣伝になるのだ。
今回、はじめて知られるようになった選手はたくさんいると思う。新規のファン獲得に苦戦しているJリーグにとって、東アジアカップ優勝は大きな助けになりそうだ。東アジアカップのチームはこれで解散してしまうだろうが、それがもったいない気がするぐらい気持ちの入ったプレーを見せてくれたし、Jリーグの力を示せたのは何よりだった。
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