人間教育こそ指導者の大事な仕事
河崎監督はとりわけサッカー指導者の枠を超えた人間教育に強いこだわりを持っている。特に強調しているのが、「気配りのできる人間になれ」ということだ。
「今の時代は鈍感な人間が多すぎます。ボールを蹴る、止めるを教えることももちろん大事だけど、世の中や人のためになることを習慣化させることも、指導者の大事な仕事じゃないかと思いますね」
指揮官は生活の基本にはかなり細かい。部室が汚かったり、道具の管理がいい加減だと、練習を休んで何時間も掃除や手入れをさせ、グラウンドにゴミがあれば「それを拾い終わるまでは練習させん」と厳しく指導する。
選手のあいさつの声が小さいと「お前ら声が出てないぞ」と注意し、「野球部員は、まず止まってニッコリと会釈し『おはようございます』と大きな声で言う。お前らも見習いなさい」とアドバイスするのだ。
数年前のサニックス杯(春の福岡フェスティバル)で、礼儀正さや行動の迅速さ、ピッチ上でのファウルの少なさなどを評する「グッドマナーチーム賞」に目をつけた河崎監督が「俺らはこれを取りに行くぞ」と選手にハッパをかけたというエピソードは、指揮官のキャラクターをよく表している。
試合に勝つことも大事だが、迅速かつ礼儀正しい行動を常に心がけることが、選手たちの成長につながるということだろう。