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コラム 1週間前

「私たちは大きな夢を…」ノッティンガム・フォレストの野心は本物だ。「苦手を克服し、得意を伸ばす」補強戦略の成就【コラム】

シリーズ:コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

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 2024/25シーズンのプレミアリーグで主役となっているクラブの1つがノッティンガム・フォレストだ。第24節終了時点で3位につけている古豪は、昨シーズンまで残留争いを余儀なくされていた。なぜ、今シーズンはCL出場争いをする勢いで躍進をすることができているのだろうか。後編では編成面を中心に分析する。(文:安洋一郎)※情報は2月11日時点

先制すれば“ほぼ”負けない理由

ヌーノ
【写真:Getty Images】

 前編で紹介したリーグ最低のポゼッション率や走行距離、エースの決定力以外にもフォレストが効率的なチームであることを証明するデータがある。

 今シーズンのプレミアリーグで彼らは24試合のうち19試合で先制に成功している。そのうち逆転を許したのは第11節ニューカッスル戦のみ。同点に追いつかれる試合があったとしても、先制さえすれば、ほぼ確実に勝ち点を獲得している。

 その理由はここまでの分析である程度は想像できるだろう。彼らは自陣に攻められることを苦にしない最終ラインとGKの質を持っている。その中で自分たちが先制をすることができれば、相手が前掛かりになる。となると、背後にロングカウンターをしやすいスペースが生まれ、2点目、3点目のチャンスが得やすくなる。

 逃げ切るための手札も持っており、試合終盤に3番目のセンターバック(CB)であるモラートを投入して5バックにすればヌーノ監督の仕事は完了する。

 同点、もしくはリードしている展開において、今シーズンに加入したブラジル人CBを起用した試合で失点を喫したのは第22節サウサンプトン戦しかない。なお、この試合は3-2で勝利しているため、勝敗において重要な失点ではなかった。

 この「堅守速攻の最高峰」と言っても過言ではないサッカーを成立させたのは、指揮官の手腕が重要だったのはもちろん、クローザーとして機能するモラートの獲得を含めて編成面の強力なしでは、ここまでの躍進は期待できなかっただろう。

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