運が味方したサウジ戦
サプライズの少ない今回のアジアカップだが、中国がグループBを3連勝で終えたことを大会前から予測していた人はそう多くはないだろう。
中国代表の指揮官アラン・ペラン監督も、「大会前には、我々が2試合を終えた段階で突破を決めることができるとは思っていなかった」と驚きを隠せないようだった。
「最後の試合まで決勝トーナメント進出を懸けた戦いになるだろうと覚悟していたし、2位で突破することになると思っていた。だが実際には、2連勝でスタートすることができてハッピーだ。
3連勝は本当にファンタスティックなことで、チームにとっては大きな自信になった。しかし、次のラウンドはより難しいことは分かっている。自国開催のオーストラリア戦は厳しいゲームだが、我々には失うものなど何もない」
中国メディア『Sohu.com』で10年以上中国サッカーを取り上げてきたシュイ・ジアン氏も、ペラン監督の考えに同意している。”チーム・ドラゴン”(中国代表の愛称)には、決勝トーナメント進出によるプレッシャーはないと主張した。
「(オーストラリアに勝てるかどうか)私には分からないが、選手たちはどんな試合でもナーバスになることはないだろう。すでに3連勝しているからね。これだけ結果を残しているチームには選手、ファン、そしてメディアも満足していると思うよ。
だけどこれは絶好のチャンスだと思う。彼らは本当にラッキーだ。いつも運を持っている。この10年間は運に恵まれていなかったが、再び運が向いてきた」
ラッキーだったとシュイ氏が指摘するのは、サウジアラビアとの一戦で相手のナイフ・ハザジがPKを失敗したシーンだ。
「彼らはPKを失敗した。反対に中国はFKから得点を決めた。私は選手たちとこの事について話したが、彼らも”あのPKが決まっていたら私たちは初戦に負けていただろうし、その流れで2戦目も敗れていたかもしれない”と言っていた。だが実際には初戦で勝利した。これで大きな経験と自信を得たんだ」