ハーフタイムでの改善点
東アジアカップの大会3連覇を目指す上で、大きな『ヤマ』になると目された第2戦・北朝鮮女子代表戦は、やはりなでしこジャパンにとって簡単な試合ではなかった。
前半は相手のボールを奪う位置が低いあまりに、北朝鮮の陣形が揃った後に攻めるしかなく、どれも得点の可能性が低いシュートしか放つことができなかった。翻って後半は、なでしこが攻め続けて試合を主導。しかし1点が遠くて、日本は勝ち切ることができず、スコアレスドローとなった。
こういった展開の場合、なでしこがなぜ得点を奪えなかったのかということに話題が集中するが、ここでは2試合連続の無失点試合に成功した、日本の守備について考えてみたい。
前半は、非常に厳しい45分間を強いられた。
「とにかく立ち上がりが悪かった。北朝鮮が蹴ってくるボールを前で弾くことができなかったから、あんなにチーム全体が自陣に下がらざるを得なかった。結果、チーム全体が必要以上に上下してしまった」
前半の戦い方で熊谷が反省したのは、『ボールの取り所と収め所』だった。相手を押し上げられずに自陣深くでボールをクリアしなければいけなかったために、チーム全体の走行距離が長くなってしまい、効果的な攻撃につなげられなかったのだ。
「だから、ハーフタイムにはできるだけ前で相手のボールを弾くことと、切り替えを早くしようというのをかなり話し合った」(熊谷)
この2点が改善された後半45分間は、DFラインが非常に高く保たれ、ほとんどなでしこが攻撃を仕掛け続けた。ピンチらしいピンチがないほど、日本が試合をコントロールすることができた。