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アジア 10年前

サッカルーズに突きつけられた“現実”――。準々決勝、中国戦での奮起はなるか

サッカルーズは17日、同じくグループリーグ突破を決めている韓国と1位通過をかけて対戦した。結果は32分にイ・ジョンヒョプにゴールを許し、0-1で敗戦。キャプテン、ミレ・イエディナクの負傷離脱、ローテーション採用によりベストメンバーではなかったものの、今大会好調だったサッカルーズは初黒星を喫した。

text by 植松久隆 photo by Getty Images

“初戦”韓国戦に敗れたサッカルーズ

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韓国戦に敗れたサッカルーズ【写真:Getty Images】

 「韓国戦は、豪州のこの大会の“初戦”となる」。昨夜、豪州がホームで0-1で敗れた直後、準国営放送『SBS』のフットボール・リポーター、スコット・マッキンタイヤーによるこの台詞を思い出した。

 一昨日、同じくブリスベン・スタジアムで行われた日本対イラク戦の試合後、旧知の彼と翌日のサッカルーズの大事な試合について語り合った。その時に、アジアサッカーに造詣の深い彼の口から出た前述の示唆的な言葉は「先の2戦の相手のクオリティは、アジアのトップレベルに無かった。その相手に連勝した豪州だが、優勝候補の一角である韓国との対戦は今大会でアジアのトップレベルと相対する初めての試合になる」という意味のもの。

 そして、その豪州の“初戦”は、0-1という悔しい敗戦に終った。

 試合開始時間になっても、スタジアム内の湿度は下がらない。むしろ、大観衆の人いきれが湿度を押し上げているように思えるくらいだった。前日の日本戦では、日本とイラクの選手たちが同様のコンディションに苦慮しているのを目撃していただけに、実力的に互角の韓国を相手に豪州がその暑さの中でどういう戦い方を繰り広げられるかを非常に興味深く見守った。

 アンジ・ポスタコグルー監督は、かねての予告通りに先の試合の先発メンバーから4人を入れ替えて試合に臨んできた。文字通り「総取替え」されたのが、センターFWと両ウィングの“フロント3”の顔ぶれ。最前線には、ティム・ケーヒルを休ませてトミー・ユリッチ。両ウィングにも、左には初戦で良い動きを見せたジェームス・トロイージ、右には現在のAリーグの得点王のネイサン・バーンズを起用した。

 ディフェンスでは、アジス・ベヒッチとジェイソン・デービッドソンの2人が激しいポジションを争う左サイドバックは、初戦に出場したベヒッチが復帰。それ以外のバックラインの3人は、連続出場が続いて疲労の蓄積もあるだろうが、変わらずに先発した。

 また、無理をせずに決勝トーナメントに備えさせたいミレ・イエディナクを休ませて、その代役には前の試合と同様にマーク・ミリガンが先発、腕にはキャプテンマークを巻いた。攻撃を組み立ては、地元ブリスベン・ロアのキャプテンであるマット・マッカイ、そして若き技巧派のマッシモ・ルオンゴの両名が担った。

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