「僕たちは皆フランス人である」
元フランス代表のリリアン・テュラム氏が15日、伊『ラジオ24』のサッカー番組「Tutti Convocati」のインタビューに答えた。
アフリカにルーツを持つテュラム氏は「pour l’egalite(=平等のために)」という書籍を出版するなど、政治活動にも精通。インタビューでは、平等や平和について、そして先日パリで起きた新聞社襲撃事件について自身の見解を述べた。
「最近パリの道で400万人が平等を求めてデモを行っている。フランス国民は平等、平和の重要性を理解してきている。
フランスで起こった新聞社襲撃事件について、全国民が反省すべきである。今朝、学校を訪ねて子供たちに、“テロリストは外国から来た人ではなく、フランス人だ”と話した。
みんなが平等を守る国を作ることは難しい。みんなが納得しなければならないことは、僕たちは皆フランス人であることだ。だが残念なことに、“本当のフランス人と偽りのフランス人がいる”と考えている人がいる。これは根本的な間違いだ。
フランスでは数年前から、政治家や記者がイスラム教についてネガティブなことを話している。2001年(ニューヨークで同時多発テロが起きた年)からは、イスラム教の人々がみんなテロリストなのではと思う人だっている。
こうすると、フランス社会の中に2つのグループ(“us and them”、私たちとおまえたちという概念)が生まれてしまう。
こういう状態になれば、愛されていないグループの中に立場の弱い人がいた場合、その人をテロリストに仕立て上げることは簡単になる。そして、それを唆す人がいるからテロ事件につながってしまうんだ。
だから、みんなで協力しあって、同じグループでいることに納得しなければならない。一番大切なことは、互いをリスペクトすることである」