指揮官「勝つために何が最良か」
自国開催のアジアカップを2戦8得点でグループリーグ通過と、理想的なスタートを切ったサッカルーズ。その結果、グループリーグ最終戦の17日の韓国戦(ブリスベン)は、グループAの1位通過を懸けての直接対決の場となった。
豪州にとって、韓国は先のパレスチナ、オマーンとは明らかに質が違う今大会初の手応えのある相手。それだけに韓国との対戦は、サッカルーズの現状を正しく測る非常に意味のある試合と位置付けられるだけに注目する必要がある。
自国で堂々の1位通過を果たしたいという体面上の理由の他に、豪州には「D組を1位通過濃厚の日本との準決勝での対戦を避けたい」という1位通過にこだわる現実的な理由がある。だからこそ、サッカルーズは、この試合をいわゆる「消化試合」とは捉えていない。
アンジ・ポスタコグルー監督自身にも、ブリスベンで勝利したいという個人的なモチベーションがある。前日会見では「満員で素晴らしい雰囲気のブリスベン・スタジアムでは、(ブリスベン・ロアを指揮していたころに)様々な素晴らしい経験をしてきた。願わくば、明日がまた新たな素晴らしい夜となるように願いたい」と、自身がブリスベンを指揮していた栄光の日々を思い起こしながら語った。ポスタコグルー監督は、かつての古巣のファンの温かい応援に、チームの最大限のパフォーマンスを引き出して快勝することで応えたいと思っているに違いない。
注目のキャプテンのミレ・イェディナクの出場の可否だが、現時点でははっきりしない。監督の「当日のチームのセレクションは、今までの2試合と同様に、勝つために何が最良かという観点で行う」という前日会見での発言を深読みすれば、オマーン戦での代役(マーク・ミリガン)の頑張りもあって、万全でないイェディナクを先発出場させるリスクを負いたくないというのが本音ではないだろうか。果たして、イェデイナックは出場するのか――。監督の決断やいかに。