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プロでも大成功! 高校時代から凄かった最強の選手(5)高校“3冠”の偉業!? プロでも点を取りまくる怪物

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

高校サッカー ニュース

 第103回全国高等学校サッカー選手権大会が開催されている。過去の大会では多くのスターが誕生し、そのままプロとして大成した選手も多い。今回は、過去の選手権で強烈なインパクトを残し、のちにサッカー日本代表でも活躍した選手をピックアップして紹介する。

FW:大久保嘉人(おおくぼ・よしと)


【写真:Getty Images】

生年月日:1982年6月9日
出身高校:国見高等学校
主な在籍クラブ:セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレ

 大久保嘉人は、国見高等学校出身で、第79回全国高等学校サッカー選手権大会で得点王となり、優勝に貢献した。

 国見は1回戦、2回戦を接戦で勝ち上がったあとの3回戦で日章学園高等学校と対戦。1点リードで迎えた後半に、大久保が一挙4得点を挙げ、6−0の大勝を演出した。

 その後、準決勝の富山第一高等学校戦でも決勝点を記録すると、草津東高等学校との決勝戦でも大活躍。松橋章太のクロスから生まれたチャンスで先制点を決めると、後半にはミドルシュートでゴールネットを揺らして、国見高校を8年ぶり4回目(当時)の優勝に導いた。

 この世代の国見高校は、インターハイも制覇。長崎県選抜が優勝した国体も全員が国見高校の選手だったため、選手権、インターハイ、国体を制したことから「高校3冠」と称えられた。

 当時の大久保は、トップ下が本職だったものの、この時から得点感覚は抜群で、2列目から果敢に仕掛けて得点を量産した。インターハイでも得点王に輝き、この世代屈指の点取り屋として名を馳せた。

 高校卒業後はセレッソ大阪に加入してプロキャリアを開始。その後の活躍は言わずと知れたもので、史上初のJ1・3年連続得点王やJ1通算最多得点記録(191得点)といった偉業を成し遂げたレジェンドである。

 大久保は2020年に那須大亮のYouTubeチャンネルに出演した際、国見では1年で1日もオフがなかったことや、当時の練習の過酷さを語った上で、「あそこでやれたから今がある」と、その経験の重要性を強調した。“当時に戻れるとしたら?”というテーマで、鹿児島実業出身の那須が「絶対に嫌」と答えたのに対し、大久保は「厳しいけど…、いいかな」と笑みを浮かべて答えていた。

 高校サッカーに限らず、厳しすぎる練習の効果を疑問視する声が少なくない現代だが、タフな練習環境を誇った国見高校が、大久保のように日本サッカー史に名を刻む選手を育てたことは間違いない。

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