選手変われどやり方は変えず。興味深かかったザックの選手起用
“Jリーグ選抜” はまずまずのプレーを見せてくれた。中国に3-3という結果には不満が残るが、このチームで来年のW杯に臨むわけではない。チームとしては日本代表というよりリーグ選抜であり、個々の能力の見極めが最重要課題だ。
その点で興味深かったのはザッケローニ監督の起用方法である。コンフェデ杯を戦ったチームと同じフォーメーションを選択し、さらに選手の役割や個性を従来のチームにダブらせた。
例えば、工藤壮人は“岡崎枠”でプレーしていた。ポジションは岡崎慎司と同じ2列目の右サイド、期待は運動量と得点感覚である。今野泰幸の枠は森重真人、“遠藤枠”に青山敏弘、“長谷部枠”には同じ背番号17を着けた山口螢を起用した。
東アジアカップのチームを強化するつもりはなく、新戦力のテストがメインなのだから当然といえば当然である。バルセロナやアヤックスのユースチームが、トップと同じフォーメーションでプレーするのと同じことだ。選手の個性はもちろん違うのだが、あえて従来のやり方を固定して、その中でどうプレーするのかをテストしたわけだ。
つまり、今大会に招集された選手たちの競争相手は目の前の中国や韓国というより、今回は参加していない自分のポジションの日本代表選手たちである。高萩洋次郎は本田圭佑と比較してどうなのかという目で見られるだろうし、原口元気は香川真司や清武弘嗣、乾貴士と比較されることになる。