経験の差が出た中国代表となでしこジャパン
予備予選大会を勝ち抜いて女子東アジアカップ決勝大会に出場する中国女子代表と、大会3連覇を目指すなでしこジャパンには、歴然とした実力差があった。
「中国は若い選手が多かったので、経験の違いがゲームの中で出たと思う。経験のある我々の選手が卒のないサッカーをした」と、なでしこジャパンの佐々木則夫監督が話したように、それは経験の差だと言える。
2008年に自国開催で臨んだ北京五輪でベスト8という記録を残して以降、中国は世界大会の舞台から姿を消し、2011年女子W杯(ドイツ)、2012年ロンドン五輪への出場権を掴めなかった。
それとは対照的に、2011年女子W杯で優勝、2012年ロンドン五輪で準優勝と、世界大会で結果を残してきたのが、なでしこジャパンだった。そして今、両者にはすでに一朝一夕では埋まらない大きな差が生じていた。
序盤からパワフルなキック力を活かしてサイドチェンジを繰り返し、揺さぶりをかけようとした中国だが、なでしこジャパンは細かいポジショニング修正と緻密なマークの受け渡しで、一切隙を見せない。そして、挑戦者である中国と、タイトルホルダーであるなでしこジャパンの試合は、徐々になでしこジャパンのペースへとなっていった。
35分、大儀見優季(チェルシーFC/イングランド)の巧みなパスを受けた安藤梢(1.FFCフランクフルト/ドイツ)が、ペナルティエリア内右から、右足で難しいコースにシュート。これが代表での約3年ぶりとなる得点となり、なでしこジャパンが先制した。