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「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるが、サッカー界では若手選手を成長のために期限付き移籍させることが多い。しかし、すべての選手が順風満帆なキャリアを送ることができるわけではなく、才能豊かな逸材が武者修行先で伸び悩むことも少なくない。今回はレンタル先で苦しんだJリーグの逸材選手を紹介する。
※スタッツは12月17日時点のデータサイト『transfermarkt』を参照
FW/MF:棚田遼(たなだ・りょう)
【写真:Getty Images】
生年月日:2003年6月9日
保有元クラブ:サンフレッチェ広島
期限付き移籍先クラブ:いわきFC
今季リーグ戦成績:10試合0ゴール0アシスト
サンフレッチェ広島の将来を担うテクニシャンが、思うような成長曲線を描けていない。
現在21歳の棚田遼は広島の下部組織で育った。2021年に当時17歳でトップチームに2種登録されると、同年5月に行われたYBCルヴァンカップ・横浜F・マリノス戦(1-1)でプロデビュー。2022年には正式にトップチーム昇格を果たした。
彼の大きな魅力は卓越したテクニックにある。ボールタッチ、ターンなど、ひとつひとつのプレーの質が高く、狭いエリアを難なく攻略するドリブルは武器の一つだ。2列目やサイドからでも相手ゴールを脅かすことができる。
そんな棚田だが、広島では出場機会に恵まれない。2022シーズン、2023シーズンを合わせたリーグ戦の出場数はわずか「5」。ミヒャエル・スキッベ監督の信頼を掴むには至らなかった。同選手は成長の機会を求めて、今年2月にいわきFCへ期限付き移籍している。
ただ、プレーの拠点を変えても苦しい時期は続いた。いわきでは6月までベンチ外となり、第20節ヴァンフォーレ甲府戦(1-1)でようやくベンチ入りを果たしている。
その後、棚田は途中起用がメインではあったもののリーグ戦10試合に出場した。そのうち2試合では先発に名を連ねており、大きな自信になったはずだ。
だが、まだブレイクしたとは言い難い。次の目標はコンスタントに出場機会を得ることである。
彼の台頭を待ちわびている広島サポーターは少なくないだろう。棚田はその期待に応えて、来季こそは殻を破ることができるだろうか。
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