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コラム 1週間前

「困難に人は感謝する。なぜなら…」モイーズ・キーンはなぜ蘇ることができたのか。「本当に自分は強い」と語る理由【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

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ここ数年は優勝争いと無縁だったフィオレンティーナが、今季はここまで首位と勝ち点差3の4位につけている。その躍進の要因の一つにはモイーズ・キーンの復活が挙げられるだろう。昨季無得点だったこのイタリア人FWは、なぜ不死鳥のように蘇ったのか。幼少期から家族の将来を背負ってきたことで生まれた強靭なメンタルとは。(文:佐藤徳和)

モイーズ・キーンが蘇った

モイーズ・キーン
【写真:Getty Images】

 それはまるで、リングの上で完膚なきまでに叩きのめされたボクサーが、不死鳥のように蘇り、相手をリングに沈め、奇跡の逆転KO劇を演じたかのようだ。

 輝きを取り戻したのは、モイーズ・キーン。昨季、ユヴェントスで20試合に出場し、ゴールネットを揺らした数は“ゼロ”だった。脛骨の負傷で長期離脱を強いられ、出場機会もベンチスタートが多く限定的であったものとはいえ、ストライカーとしては、もはや失格の烙印を押されたようなものだろう。

 ところが、フィオレンティーナに移籍した今季は一転して、公式戦16試合で13ゴールと完全に蘇った。11月にはセリエAの3試合で5ゴールをマークし、月間最優秀選手にも選出されるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 リーグ戦だけでも得点ランキング3位の9得点を挙げており、ユーヴェのエース、ドゥシャン・ヴラホヴィッチの6得点を上回っている。しかも、セルビア代表FWはPKによるゴールが3つあるのに対して、イタリア代表FWは流れの中での得点のみだ。

 第15節を終えて、ユーヴェは勝ち点27の6位と、ストライカーの不振も影響し、勝ち切れない試合が続く。9つの引き分けはリーグトップだ。

 一方、花の都、フィレンツェのクラブは、1試合消化が少ないものの、暫定4位で首位アタランタとは勝ち点差3の4位と、誰もが予想しなかった優勝争いに絡んでいる。キーンの活躍なくして考えられない躍進だ。

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