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Jリーグ 3日前

「戦えない選手は置いていく」ヴィッセル神戸、武藤嘉紀が心を鬼にして苦言を呈する理由。「何度も言ってきたのに」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグの第37節、柏レイソル対ヴィッセル神戸が1日に行われ、1−1の引き分けに終わった。神戸は勝ち点1を獲得したことで、最終節の勝利で自力優勝を決めることができる権利を得た。それでも武藤嘉紀は、勝利に導けなかった自分自身のプレーへの反省と、安易な失点を繰り返すチームに苦言を呈した。(取材・文:藤江直人)

「何度も言ってきたはずなのに…」

武藤嘉紀
【写真:Getty Images】

 具体的なチームメイトの名前には、もちろん言及しない。それでも、ヴィッセル神戸の窮地を救った男の視線は、起死回生の同点ゴールとはまったく違う方向へ向けられはじめた。

 柏レイソルのホーム、三協フロンテア柏スタジアム内の取材エリア。後半アディショナルタイム10分にゴール前のこぼれ球を押し込み、神戸に貴重な勝ち点1をもたらした元日本代表のFW武藤嘉紀は「大きな勝ち点1だったし、もちろんうれしいですけど……」と断りを入れながら、こんな言葉を紡いだ。

「何度も言ってきたはずなのに、やはり甘さが出ている。一番大事な決戦で、正直、試合にうまく入り切れていない選手がいたし、準備がしっかりできてなかった選手、地に足がちょっとついていない選手もいた。チーム全員で戦う、といった部分は絶対にぶれてはいけないはずなのにできていなかった」

 試合開始前の時点で首位の神戸とまだ残留を決めていない17位の柏が激突した、30日のJ1リーグ第37節は開始5分にいきなり動いた。

 柏が獲得した左コーナーキック(CK)。キッカーのMF手塚康平が左足から供給したクロスに、FW木下康介が頭を完璧にヒットさせてゴールネットを揺らした。

 中断前の10日に行われた東京ヴェルディ戦でも、後半アディショナルタイムにオウンゴールを献上した末に1−1で引き分けていた。サッカーでもっとも危険とされる時間帯に、安易な失点を喫する。手塚の左足の脅威はわかっていたはずなのに、セットプレーからあっさりと失点した戦いぶりが許せなかった。

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