公に会長を批判したスビサレッタ
2015年、FCバルセロナは波乱含みの年明けを迎えた。
リーグ戦で首位のレアル・マドリーがバレンシアに負け、勝ち点差を詰められるチャンスだったにもかかわらず、レアル・ソシエダの敵地で新年最初の試合を落とした。そしてその翌日、強化担当のフットボールディレクター、アンドニ・スビサレッタが、ジョセップ・マリア・バルトメウ会長によって解雇された。
その引き金になったのは、試合後のスビサレッタの発言だった。バルサには、年末にスポーツ仲裁裁判所(TAS)により、未成年のサッカー選手の国際移籍について違反を犯しているとの最終決定が下された(編注:これにより下部組織に所属する久保建英の試合出場も危ぶまれている)。
このソシエダ戦の後、その件について聞かれたスビサレッタは、当時の自身の上司に当たるスポーツ副会長が現在の「厳しい」状況の戦犯だと明言したのである。
当時のスポーツ副会長は、言わずと知れた現会長バルトメウだ。公の場でこの発言をした翌日午後に、スビサレッタは4年半に渡ったバルサの強化担当ディレクターの役職を解雇された。今年からクラブの同じ部署で仕事を担っていた元キャプテン、カルレス・プジョルも、下手に周囲にそのような責務を押し付けられる前に、と言わんばかりに辞任した。
スビサレッタ自身は、本人がもともとGKだったことを例にあげつつ、「ミスの最後の責任をとるのには慣れているし、自分はいつも会長の言うとおり、クラブを良くするために何でもする覚悟ができている」と発言。
シーズン半分を残して来年1月まで補強できないとの判決が下った今、いきなり強化担当を解雇するという決定を下したクラブは本日(現地時間6日)、緊急フロント会議を開く予定だ。