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今季の明治安田J1リーグはクライマックスに近づいている。すでにサガン鳥栖のJ2降格が決まった「残留争い」はさらに熾烈さを極め、最終節まで予断を許さない状況だ。どんなに厳しい条件でも望みがある限り、J1残留を諦めてはいけない。今回は、J2降格が濃厚と思われる状況から逆転残留に成功し、伝説となったクラブを紹介する。
※成績はデータサイト『Transfermarkt』を参照
ジェフユナイテッド千葉(2008シーズン)
【写真:Getty Images】
監督:ヨジップ・クゼ→アレックス・ミラー
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2008シーズンのジェフユナイテッド千葉は、日本中のサッカーファンの記憶に刻まれる歴史的な残留劇を見せた。
千葉は主力選手たちが相次いで退団し、前シーズンから陣容を大きく変えて、2008シーズンに臨んだ。そんなに主力が抜けて大丈夫なのか…。そんな不安はすぐに成績という形で的中する。
千葉は開幕からリーグ戦11試合連続未勝利というスタートとなり、リーグ最下位と低迷。5月にヨジップ・クゼ監督が解任となり、イングランドの名門リバプールでコーチを務めた経歴をもつアレックス・ミラーが後任監督として招へいされた。
チームは立て直しを図るも、大事な終盤戦で(第30節から第33節の4試合で1分3敗)失速してしまう。千葉はJ2自動降格圏の17位で最終節を迎えることになった。
この時点で、最下位・コンサドーレ札幌(現・北海道コンサドーレ札幌)はJ2降格が決定済み。千葉にはジュビロ磐田(16位)、東京ヴェルディ(15位)と並んで自動降格の可能性があった。千葉が残留するためには最終節の勝利と、磐田と東京Vの敗北が必要という厳しい状況だった。
運命の最終節、FC東京をフクダ電子アリーナに迎えた千葉は、前半終盤に先制点を許す。後半序盤にも東京に追加点を許し、スコアは0-2に。残留のためには残り25分で3点を返さなければならなくなった。
しかし、逆境に置かれた千葉のイレブンはここから劇的な大逆転を披露する。74分にスコアを1-2とすると、77分に2-2の同点に。80分にPKを獲得し、これを決めて千葉はわずか7分でスコアを3-2に変えて見せる。
最終的に、磐田と東京Vが敗れたことで千葉のJ1残留が決定。この7分間のドラマチックな逆転劇は、のちに『フクアリの奇跡』と呼ばれて伝説になった。