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太田岳志は人の“心を動かす”。京都サンガF.C.で試合に出続ける理由とその分岐点。「何があっても驚かない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグの第29節、台風の影響で延期されていた京都サンガF.C.対鹿島アントラーズが17日に行われ、0−0の引き分けに終わった。10月19日のサガン鳥栖戦での途中出場を含めて4試合連続で京都のゴールマウスを守っている太田岳志は、この試合でもチームのピンチを救うビッグセーブを見せてくれた。(取材・文:藤江直人)

ピンチを救った守護神

太田岳志
【写真:Getty Images】

 自軍の指揮官をプレーで感動させ、公の場で涙を流させる選手はめったにいない。稀有な存在といっていい京都サンガF.C.のゴールキーパー、33歳の太田岳志は、ホームのサンガスタジアム by KYOCERAに鹿島アントラーズを迎えた、17日のJ1リーグ第29節でもファン・サポーターの心を震わせた。

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 台風の影響で中止され、J1リーグが中断される国際Aマッチデー期間へ特例で延期された一戦。スコアレスドローで勝ち点を分け合った90分間で、2度のビッグチャンスを作ったのは鹿島だった。しかし、そのたびに今シーズンのリーグ戦で6試合目の出場だった太田が右腕一本でゴールマウスを死守した。

 最初は69分。ペナルティーエリアの右角あたりから、ターレス・ブレーネルが左足のインスイングでクロスを放つ。緩やかな弧を描いたボールの行き先はファーサイド。京都のマルコ・トゥーリオが守っていたさらに大外へ鹿島の左サイドバック、安西幸輝が完璧なタイミングで走り込んできた。

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