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テン・ハフには感謝しかない。マンチェスター・ユナイテッドは次こそ変われるのか。もう負け慣れた、言い訳したくない【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

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プレミアリーグで歴代最多優勝を誇るマンチェスター・ユナイテッドに変化が訪れようとしている。2022年夏から指揮を執っていたエリック・テン・ハフを解任し、スポルティングCPで確かな手腕を発揮していたルベン・アモリムが後を継ぐことになった。まだ39歳という若き名将は”赤い悪魔”をどう変化させるのだろうか。(文:内藤秀明)

ひどく感傷的な出来事が連続的に起こった

テン・ハフ
【写真:Getty Images】

 今年もマンチェスター・ユナイテッドが慌ただしい。エリック・テン・ハフが解任となり、アシスタントコーチだったルート・ファン・ニステルローイが暫定で監督を務めることになった。

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 かつての英雄がメガネにジャージの格好で、コーチとしてベンチに座っているだけでも感慨深い。しかも暫定監督になるやいなやピシッとスーツを着用して指揮をとり、自軍の得点に大興奮のご様子だ。その映像を見るだけで、涙腺が緩みそうになる。

 30代にもなると、色んな運命の交差を目撃することになるからか、単純に懐かしいことが増えたからなのか、涙もろくなってきた。それでもなお、感動の涙より、悔しい敗戦に泣くことの方が多いのは、腹立たしいことこの上ないのだが。

 いずれにしても、2年連続で国内カップ戦の優勝をもたらした愛着のある監督の解任と、OBが暫定監督に就任というひどく感傷的な出来事が連続的に起こったのだが、それらの感情を整理する間もなく、新監督が決まった。ルベン・アモリムという稀代の名将が11月中旬からユナイテッドの監督を指揮することになったらしい。

 待てよ。もう名将と言い切っていいのか。あるいは候補という言葉を後ろにつけるべきか。ここ10年ほどは、名将が来たと思いきや、蓋を開けると「漢字が違うのか?」と頭を傾げたくなることが多かった。断言することにやや恐怖心はある。

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