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尚志高校時代に飛び級でU-21日本代表に招集されるなど、そのポテンシャルを高く評価されていたチェイス・アンリは高校卒業とともにドイツに渡った。それから2年半。ブンデスリーガ1部デビューを果たした20歳の変化に、現地在住記者が触れる。（取材・文：林遼平【ドイツ】）

著者プロフィール：林遼平

1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

20歳でブンデスリーガ1部デビュー

【写真：Getty Images】

　20歳の若者がドイツの舞台で少しずつ飛躍を遂げている。

　
　チェイス・アンリが尚志高校からドイツのシュツットガルトに向かったのは2年半前。そこからセカンドチームを主戦場に出番を得ると、昨季は4部リーグで26試合に出場して研鑽を積んだ。

　今季もセカンドチームでのプレーが予想されていた中、驚きだったのは開幕戦でベンチスタートとなったこと。昨季、最終ラインを統率していた伊藤洋輝やヴァルデマール・アントンが移籍。加えて、開幕前にディフェンス陣に怪我人が続出したことでメンバー入りを果たすに至った。

　迎えた開幕戦。ベンチ入りで終わるかと思われた中、チェイスは75分からピッチに立つことになった。ブンデスリーガデビュー。緊張していないと言えば嘘になるが、変に焦ることなく堂々としたプレーを披露する。短い時間で対人の強さやシュートに向かう積極性を前面に出すと、チームは敗れたものの印象的なパフォーマンスで監督の起用に応えてみせた。

　それから約2ヶ月。開幕前の状況から大きく立場が変わったチェイスの姿がある。