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小学生年代から横浜F・マリノス一筋でプレーする山根陸に、変化を感じる。プレータイムを積み上げる中で課題を痛感しながら、チームを勝たせたいという強い決意のもとで成長を誓う。2024 JリーグYBCルヴァンカップ ニューヒーロー賞に輝いた山根が描く成長曲線に視線を送る。(取材・文:藤井雅彦)
プロフィール:藤井雅彦
1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』 主筆
プロ3年目。着実に高めてきた存在価値
右肩上がりの成長曲線を描く山根陸に、1つの勲章が加わった。
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25日に発表された2024 JリーグYBCルヴァンカップ ニューヒーロー賞の栄誉に輝き、クラブからは齋藤学、遠藤渓太に次ぐ史上3人目として名前を刻んだ。
発表直後、メディア対応に臨んだ21歳は率直な心境を明かした。
「3試合の出場で、あまり多いとは言えない出場数だけど、その中での選出ということで嬉しさと同じくらい驚きがあります」
照れくさそうに笑うのも無理はない。9月からAFCチャンピオンズリーグエリートに出場している横浜F・マリノスはルヴァンカップの予選が免除され、プライムステージから登場。準々決勝で北海道コンサドーレ札幌を破ったが、準決勝の名古屋グランパス戦で惜しくも敗退した。
山根は全4試合中3試合に先発。いずれの試合も中盤の底で攻守に渡ってチームを切り盛りするなど存在感を見せた。チームにおいて貴重な戦力になっていることに疑いの余地はない。
一方で誰の目にも明らかなインパクト、すなわちゴールなどの印象的な結果を残したわけではない。バランサーやつなぎ役としての働きは、どちらかといえば玄人好みするプレースタイルと言っても差し支えないだろう。
それでも一歩ずつ着実に存在価値を高めてきたのは間違いない。その論拠として、プロ入り後3年間のリーグ戦出場試合数とプレータイムは1つの指標になる。
ルーキーイヤーの22シーズンは11試合463分、2年目の23シーズンは21試合1120分、そして24シーズンはここまで24試合1008分。今季は5試合を残した暫定的な数字なので、キャリアハイが十分に視野に入る。
しかしながら得点数は通算で『0』。先月の天皇杯準々決勝・レノファ山口FC戦でようやくプロ初ゴールを記録したが、相手はカテゴリーが下のチームだった。
課題は、明白だ。誰よりも痛感しているのが本人で、だからこそ飛躍への道筋もしっかりと見えている。