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代表 10年前

「オセアニアに戻ろう」? サッカルーズを取り巻く諦念と過信

年の瀬をはさみ、いよいよ開幕を間近に控えたアジア杯。日本代表はすでに23人のメンバーを発表したが、“サッカルーズ”こと豪州代表はまだ正式メンバーが決まっていない。定まらない攻撃陣、皮肉的なメディア―サッカルーズを取り巻く諦念と過信に迫る。

text by 植松久隆 photo by Getty Images

未だに正式登録メンバーが決まらない豪州

「オセアニアに戻ろう」? サッカルーズを取り巻く諦念と過信
サッカルーズの絶対的支柱であるティム・ケーヒル【写真:Getty Images】

 既に登録メンバー23名を発表した日本代表とは異なり、12月7日に46名の候補選手を発表して以来、未だ、アジアカップの正式登録メンバーを発表していない豪州。

 年の瀬が迫る27日にメルボルンで始まる直前キャンプをわずか4日後に控えた23日に、ようやく登録代表メンバーの発表を行うという報せが、22日になって入ってきた。 

 伝統的に多くの代表選手がプレーするイングランド(プレミア、チャンピオンシップ)とAリーグでプレーする国内組がクリスマス・ブレークを取らない(筆者注:クリスマス当日は試合はないが、26日から28日の間に試合は組まれている)こともあって、それらのリーグでプレーする中から選ばれる選手たちは、クリスマスの週の試合後にすぐに合宿に駆け付けることになる。

 しかし、発表自体を合宿の本当に直前まで引っ張ることはさすがにしなかった。このタイミングでの発表で、ケガの回復に少しでも時間が欲しかったリース・ウィリアムス(ミドルスブラ)、ジョッシュ・ケネディ(メルボルン・シティ)といった現在、ケガから回復中の選手の選出の目は、ほとんど潰えたと言えよう。

 サッカルーズの予備登録メンバーを見まわした時、当選確実といえる面々が15、6名は容易にピックアップできる。チームの絶対的支柱であるティム・ケーヒル(NYレッドブルズ)、キャプテンのミレ・ジェディナック(クリスタル・パレス)、正GKのマット・ライアン(クラブ・ブルージュ)、今回復帰もすぐ守備の中心として据えられえるであろうマシュー・スピラノヴィッチ(ウェスタン・シドニー)といった顔ぶれに加え、若手の成長株で守備的なポジションであればすべてこなせるトレント・セインスベリー(PECズヴォレ)、経験豊富なユーティリティであるマーク・ミリガン(メルボルンV)、マット・マッカイ(ブリスベン)といった中堅の選手たちもこのグループに含まれる。

 これらの選手は、まさにチームの核となる選手たちで、彼らに対する監督の信頼は余程のことが無いと揺るがない。

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