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本田圭佑 10年前

必然だった0-0。丸腰で戦ったミランとローマ。守備で貢献も攻撃で“武器”になれなかった本田

ミランは、年内最終戦となったアウェイでのローマ戦で0-0のドロー。本田圭佑は守備で貢献したものの、攻撃ではインパクトを残せず。現状では格上ともいえる相手から勝ち点1を奪えたことは成功だが、勝利のチャンスがあったことも事実だ。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

両チームともに成功も失敗も混在

必然だった0-0。丸腰で戦ったミランとローマ。守備で貢献も攻撃で“武器”になれなかった本田
フィリッポ・インザーギ監督【写真:Getty Images】

 オリンピコでの0-0のドローは、両チームともに悔しさも安堵感も入り混じる複雑な結果となった。

 まずはホームのローマ。オプタの試合後スタッツを見ると(左がローマ)、支配率62%対38%、パス成功数420本対229本、アタッキングサードでのパス本数183本対84本、CK本数10本対2本、シュート数16本対9本とすべての面で圧倒。

 特に前半は45分間のほとんどの時間帯で攻勢をかけながら無得点。さらに、70分にはミランのDFアルメロが退場したことによって11人対10人と数的優位に立ちながら、やはり得点を奪えなかった。

 その一方で、後半開始からアルメロ退場の70分までは、ややミランに流れが傾いており、仮に90分まで11人対11人であれば敗れていた可能性もゼロではなかった。

 対するミランは、当然ながらローマとは逆に、前半は完全に守勢に回り、1人減った70分からもGKディエゴ・ロペスの堅い守備のおかげで失点せずに試合を終われた。試合終了のホイッスルには胸をなで下ろしたことだろう。

 しかし、前述の通り後半開始から70分までは、明らかにミランペース。インザーギ監督は、前半を耐えて相手の疲労もフラストレーションも溜まる後半から勝負というプランを練っていたと考えられるが、アルメロの退場まではまさにプラン通りに運んでいた。

 そのため、仮に終盤まで同様の流れで進めていれば決勝点がミランに入っていたとしても不思議はない。有利と目されるチームが攻め立てるも、守勢に回るチームが終盤に少ないチャンスから決勝点を奪う…。そういった展開は珍しいことではない。

 両者ともに、ある程度自らのプランを遂行できたことも、最終的には決め手を欠いたことも理由はある。

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