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若くして才能を評価された選手でも、長くキャリアを続けられるとは限らない。ケガやプレッシャーなど、様々な理由でプロとしてのキャリアを早期に終えた選手もいる。今回は、20代でスパイクを脱いだ才能ある日本人選手たちをピックアップして紹介する。成績は『transfermarkt』を参照。

FW：森崎嘉之

生年月日：1976年4月20日
主な在籍クラブ：ジェフユナイテッド市原（現ジェフユナイテッド千葉）

　森崎嘉之は、1994年度の全国高校サッカー選手権大会で8得点を挙げて大会得点王に輝いた。帝京高等学校との決勝戦ではハットトリックを達成し、市立船橋高等学校を初優勝に導く原動力となった選手であり、大きな期待を集めた。

　市立船橋のチームメートだった鈴木和裕、茶野隆行とともにジェフユナイテッド市原（現ジェフユナイテッド千葉）に加入し、プロキャリアをスタートさせた森崎だが、プロの壁は非常に高く、苦しんだ。

　当時のサッカー日本代表である城彰二が在籍していたこともあり、Jリーグでは全く出場機会を得られなかった。ジェフで唯一出場した公式戦はJリーグヤマザキナビスコカップ（現JリーグYBCルヴァンカップ）の1試合のみで、その出場時間もわずか4分間だった。

　2シーズン後に戦力外通告を受けた森崎は、JFLの水戸ホーリーホックや横河電機サッカー部でプレーするも、目立った活躍を見せることができず、1999年に23歳で現役を引退した。

　森崎は、今年8月に公開された城彰二のYouTubeチャンネルに出演し、引退後の人生について語った。引退後はアルバイトも経験し、現在はサッカースクールを運営していることを報告した。先輩の城は、森崎がジェフに加入する際に「高校での活躍を見ていて、やばいなと思った」とその才能に脅威を感じていたという。

　しかし、森崎には「欲がなかった」そうで、城は「欲を出されていたら、オレは絶対負けていた」と語った。プロとして大成しなかったものの、その才能は日本代表のエースですら認めるものだった。