戦術の重要な1ピースとして機能した本田
ローマ戦の前日である20日、ミランはいつもの試合前とは違う行動スケジュールを取った。
まずインザーギ監督の会見は前々日の18日に実施、19日は午前中にミラネッロで練習を行い、昼食後にバスでミラノ中央駅へと出発、そこから高速列車でローマへと移動した。
遅れることで悪名高いイタリアの鉄道だが、2009年にローマーミラノ間の高速新線が開通すると最短で3時間を切るようになり、遅延も劇的に減った。現在ではアウェイへの移動を鉄道にするチームも多い。
その間、金曜日なので恒例のベルルスコーニ会長の訪問があった。そしてチームに対し、彼はこんな言葉を残したのだという。
「ナポリ戦でのパフォーマンスは素晴らしかった。改めて祝福したい。ローマは我われにとって大事な試合になるが、私は君たちをローマの選手と誰も変えはしない。ゲームを支配し、ピッチを支配してこい。我われは強いのだから」
『勝ったチームは変えてはいけない』ーイタリアではそういう言い方をされることがよくあるが、ナポリ戦でのミランは11人のハードワークという点で確かに良かった。
「ナポリ戦でこれまでとは違った姿勢で戦うことができたが、重要なのは調子を持続することだ」とインザーギ監督は会見で語り、システムと戦術の踏襲を示唆している。
つまり、本田とボナベントゥーラを2シャドーに起用した4-3-2-1。中盤を厚くし、攻守の切り替えを早くする戦術の重要な1ピースとして本田は機能したが、ローマ戦でも引き続き多大な貢献が求められる。
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