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「犯人捜しをしないで…」浦和レッズの未熟さが出た。選手からの声「そういうことをやっていたら絶対にうまくいかない」

text by 加藤健一 photo by Getty Images

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FC東京に敗れた浦和レッズ
【写真:Getty Images】

ミスから崩れた浦和レッズ

  明治安田J1リーグ第31節、浦和レッズ対FC東京が21日、埼玉スタジアム2002で行われ、0-2で浦和が敗れた。井上黎生人のクリアミスがそのままゴールに入ったオウンゴール、やや不運な形だった石原広教のハンドによるPK献上で、2点のビハインドを負った浦和は反撃のチャンスを活かすことができなかった。

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 序盤の2点が浦和に重くのしかかった。左ウイングの俵積田晃太がカットインから右足でクロスを上げたが、これは味方に届かず。ニアでクリアを試みた井上のキックがミスとなり、ボールはGK西川周作の頭上を超えてゴールネットに吸い込まれた。

 14分には荒木遼太郎のアウトスイングのコーナーキックを、ニアに走り込んだ森重真人が頭で合わせると、これが石原広教の腕に当たってしまった。一度はノーファウルと判定されたものの、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)のレコメンドによりオンフィールドレビュー(OFR)が行われ、谷本涼主審はFC東京にPKを与えた。PKを荒木がゴール左に決め、FC東京はリードを2点に広げた。

 井上のキックミスについては完全なアクシデントであり、石原のハンドも動きとして防ぐのは難しい部分がある。大久保智明は「ミスは誰にでもある」と述べたうえで、「失点したときの僕らの振る舞い、そのときの僕らのリアクションが大事。僕を含めて未熟さが出たと思います」とチームの課題を挙げた。

 2点を追う浦和はシュートチャンスこそ作ったが、GK野澤大志ブランドンの好セーブもあり、ゴールネットを揺らすことができなかった。フラストレーションも溜まり、試合終盤はそれが行動に出る選手も出てきた。

 マチェイ・スコルジャ監督が帰還した初陣は “浦和らしい”1-0でガンバ大阪に勝利した。しかし、2戦目となったこの試合はミスからチームを立て直すことができなかった。岩尾憲やアレクサンダー・ショルツ、酒井宏樹、伊藤敦樹ら、これまでチームを引っ張ってきたリーダーたちが立て続けに抜けた直後だっただけに、新たなチームを引っ張るリーダーの登場は待たれるところだ。

「チームとしてまとまらなきゃいけない。『こうしていこう』『ああしていこう』という話し合いだったり、犯人捜しをしないでやり続ける。内部の僕らがそういうことをやっていたら絶対にうまくいかない」

 リーダーの必要性を説く大久保は、劣勢な状況のときほど、振る舞いが重要になってくると考えている。「勝っているときはみんな声を出せる。でも負けているとき、簡単な失点やもったいない失点をしたときの振る舞いはやっぱり考えないといけない」

 FC東京戦は浦和の未熟さが出た試合だった。スコルジャ監督が指揮を執った昨季とは大きくメンバーが入れ替わっており、この日先発した石原広教や渡邊凌磨らは、今季から浦和でプレーしている。昨季の主力だった大久保は、スコルジャ監督が求めるスタイルを理解する1人であり、大久保の言葉は自身に向けてのものでもあるのかもしれない。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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