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Jリーグ 10年前

J2降格から三冠達成、花開いた「長谷川改革」。“西野流”とは異なるガンバが手にした強さ

J2からの昇格1年目で三冠を達成した大阪の雄、ガンバ大阪。指揮官である長谷川健太監督は、いかにしてこのチームを作り上げてきたのか。「長谷川改革」に迫る。

text by 下薗昌記 photo by Getty Images

「J2降格」というどん底からの栄光

J2降格から三冠達成、花開いた「長谷川改革」。“西野流”とは異なるガンバが手にした強さ
「三冠を獲れたのは三冠を意識せずに戦って来たから」と宇佐美貴史は語る【写真:Getty Images】

 昇格一年目でのトレブル達成――。

 一度はどん底に突き落とされたガンバ大阪は、指揮官と選手の誰もが想像していなかった派手な恰好で、日本サッカー界の表舞台に返り咲いた。

「三冠を獲れたのは三冠を意識せずに戦って来たから。タイトルを意識できないような状況に落ち込んだからこそ、目の前の1試合1試合を勝って行くしかないと思っていた」(宇佐美貴史)

 3つのタイトル獲得を果たす上で不可欠だった和製エースの言葉は、優等生ぶっている訳でも何でもない。降格圏から這い上がってきたチーム全体の本音を代弁するものだ。

「信念が一度もぐらつくことはなかったね」

 二冠を目前に控えた12月上旬、長谷川健太監督はいつもと変わらない鷹揚な口ぶりで2年間に及んだチーム作りに手応えを口にした。もっともこの信念の人は、三冠を目指し得る絶好調なチーム状態だから余裕を見せていたわけではない。

 2年前と同じようにシーズン序盤で波に乗れず、16位で中断前のJ1を終え、短いオフに入る日のことだ。指揮官には焦りではなく、巻き返しに向けた確かな自信がにじみでていた。

「大分、チーム状態は上向いている。後は最後のフィニッシュの部分だけだから」

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