ハビエル・アギーレ監督の裁判所への出頭は早くても来年2月と監督の顧問弁護士は主張するが…【写真:Getty Images】
スペイン検察の反汚職局(日本の特捜部)は、現日本代表ハビエル・アギーレ監督を含む42名をバレンシア裁判所に告発した。アギーレ監督らは2011年5月21日に行われたレバンテ対サラゴサで行われたとされている八百長への関与が疑われている。スペインの複数メディアが15日に伝えている。
スペイン検察の告発文面によると、当時サラゴサの会長を務めていたアガピト・イグレシアス氏、幹部のフランシスコ・ポルケラ氏とパコ・チェカ氏は、当時のサラゴサSDアントニオ・プリエトとアギーレ監督、そして主将のガビ(現アトレティコMF)、ポンシオ、ホルヘ・ロペスと八百長をレバンテに持ちかけることに合意し、残りの選手達も全て承知の上で“作戦”を受け入れたという。
また、同文面にはサラゴサの銀行口座から11年5月17日と19日と、2日に渡ってボーナスを名目にアギーレ監督ほか選手9人に入金された計96万5000ユーロ(当時のレートで約1億1580万円)が19日と20日に現金で引き下ろされていたことが立証されている。スペイン検察はこの金がレバンテ側に渡り、選手達が故意の敗北を受け入れたと考えている。
バレンシア裁判所が告発を受け入れた場合には予審が行われ、告発対象者42名の起訴手続きを行うかを判断する。起訴後には、数年をかけて本裁判が行われる見込み。なお有罪の場合、1~4年の懲役もしくは6ヶ月~4年の謹慎処分、または最高550万ユーロ(約8億2500万円)の罰金が科される。
アギーレ監督の裁判所への出頭は早くても来年2月と監督の顧問弁護士は主張するが、現地の状況は刻々と変化しているため、早まる可能性がないわけではない。また仮にアジアカップに影響がないにせよ、捜査協力の必要は出てくる。ロシアW杯へ向けて、チーム作りへの支障は避けられない。
有罪が確定したわけではないが、クリーンなイメージではないことは確か。日本代表を追う記者陣からは「スポンサー受けが悪い。協会も決断するのでは」という声が多数聞かれる。
12月4日の記者会見で日本サッカー協会法務委員長の三好豊弁護士は「協会として客観的な証拠を持っているわけではない」と話したが、今こそしっかりとした調査で協会として決断できるだけの資料を揃えるべきだろう。
決断が遅くなれば、それだけチーム強化に影響が出る。グレーの状態が長く続くことだけは避けたい。
【了】
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