新監督に求められるのは結果か? 内容か?
7月1日、マンチェスター・ユナイテッドの「アレックス・ファーガソン勇退後」が、正式にスタートした。後任に決まっていたデイビッド・モイーズが、6年契約の開始日を迎えたのだ。
巷では、就任1年目のタイトル獲得の可否が注目されている。モイーズ体制の成否は、来季の結果次第との声さえある。昨季、クラブ史上20度目のリーグ優勝を達成したユナイテッドと、エバートンでの過去11年間、全く優勝経験のない新監督。
モイーズが、若手を登用しながら気骨あるチームを作る指揮官として、如何に「ユナイテッドらしい」人選でも、実績面の不釣り合いは否定できない。強豪の監督初心者が、「若葉マーク」不要と認められるには、たとえ国内のカップ選手権でも、即座のタイトル獲得が望ましい。
だが、単なる強豪ではないユナイテッドの監督1年生は、まずは内容で後継者としての正当性を示す必要があるのではないか? チームには、ファーガソンが去っても優勝を争い続ける下地がある。
昨季のプレミアリーグ王座奪回で自信を得て、主力に多い若手の成長も見込めるユナイテッドが、来季も優勝候補の一角であることに変わりはない。これに対し、新監督には、前監督がクラブの伝統として残した「攻めて勝つ」アプローチの下地がない。
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