最後までチームに馴染めなかったディエゴ・フォルラン【写真:Getty Images】
開幕前、今後の主役を担うクラブとして大きな注目を集めていたセレッソ大阪だが、最終結果は17位。わずか1年足らずの急転で岡野社長は辞任し、フォルランがチームを批判したと報じられるほどに崩壊した。
その報道の中で、フォルランは「2ヶ月間も誰とも話さなかった」と語ったとされている(https://www.footballchannel.jp/2014/12/04/post59205/参照)。
それに対して、MF長谷川アーリアジャスールは「2ヶ月間、誰とも喋ってなかったなんてことはない。彼の人間性を見るとそんなことを言う人ではない」と否定。
大熊裕司監督も「彼自身からも我々に色々なメッセージをくれたし、選手たちも彼をリスペクトしている。あの文章だけが全てではないと思っている」と懐疑的な目を向けた。
一方で、「降格したのに数人が笑っていた。彼らは勝敗へのプレッシャーが無いから受け取り方が違う」という発言には同調する声もあった。
長谷川は「海外はサッカーを観に来ているけど、日本は応援しに来ている。それは文化の違いだと思うので、批判するつもりはないけど、成長するためには何百年もある歴史を取り入れることは大事だと思う」と日本独特の観戦スタイルは選手がプレッシャーを受けにくいという点に理解を示した。
さらに、FW南野拓実は「彼が見てきた世界はもっと厳しいはずなので、そう感じたのは事実だと思う。僕個人的にはそう感じられても仕方がない。それを結果で証明できなかった自分たちに問題があると思う」と述べた。
長谷川も南野も口を揃えるフォルランの人物像は「サッカーに対して情熱的で真摯」「100%のプロ意識を持っている」というもの。
それでも結果を残せなかった要因には、3度の監督交代が挙げられる。
しかし、長谷川の言葉を借りれば「俺らもディエゴをうまくサポートできなかったし、ディエゴも俺らをうまく理解しなくてはいけなかった」。
サッカーは個人ではなくチームが機能しなければ、勝利をつかめないことが改めて痛感させられたシーズンとなった。
【了】