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海外サッカー 2か月前

来日してわかったトッテナムというクラブの凄さ。「本当にアメージング」、国立競技場に響いた驚きの声【コラム】

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

イングランド・プレミアリーグ 最新ニュース

 明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024 powered by docomoと称された前年のJ1リーグ王者・ヴィッセル神戸とプレミアリーグの強豪であるトッテナム・ホットスパーFCが対戦したこの一戦は2−3でトッテナムが勝利した。トッテナムはこの試合で何を得たのか。新しく見えた一面はあったのか。(取材・文・内藤秀明)

著者プロフィール:内藤秀明

1990年生まれ。プレミアリーグを中心にサッカーライターとして活動中。2023年には4試合解説者も務めた。またプレミアリーグのファンコミュニティ「プレミアパブ」の代表としてトークイベントやフットサルイベントなども主催している。趣味はお笑いライブを見に行くこと。


変わらぬ信念「残留争いの中でも…」

トッテナム
【写真:Getty Images】

 プレシーズンマッチにおけるトッテナムの主な目的は3つだろう。コンディショニング、戦術のさらなる浸透、そして若手の発掘だ。一つ目のコンディショニングは、チームでの試合だけでなく、選手個々人が日々のトレーニングでも向上を目指さなければいけないものでもある。


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 二つ目の戦術面に関しては、アンジェ・ポステコグルー監督特有の部分もある。他の監督なら新戦術の実験などもプレシーズンの目的に入るのだが、このオーストラリア人監督は一貫してスタイルを変えるつもりがない。

 横浜F・マリノス時代にポステコグルーの指導を受けた経験のあるヴィッセル神戸のMF扇原貴宏に、当時の会話で一番印象的だった内容を尋ねると「具体的な内容は話せないですけど、信念をどの状況でも変えなかったですね。ボスがきて1年目は残留争いをしていました。その中でも自分たちのサッカーをやり続ける、結果を問わずやり続けるところは凄いなと感じました。試合でも自分たちのサッカーが出来なければ、不機嫌でしたから。こだわりだったり、自分たちのサッカーに対する信念の強さは凄く学びになりました」と明かした。

 さすが、昨季のプレミアリーグ第11節チェルシーFC戦で、退場者が出てトッテナムが9人で戦うことになってもハイラインを変えなかった男だ。そこの不変の信念こそ彼の魅力であり、また、今後の大きな壁になり得るのかもしれない。

 もちろんリーグごとに選手のクオリティや傾向が変わるので、微妙に戦術面を変化させている部分もある。例えば、Jリーグ時代から偽サイドバックという戦術自体は取り入れていたものの、今のトッテナムほど高い位置をとらせてはいなかったようだ。

 ただ、一度決めたスタイルに関しては「変えずに、ひたすら精度を上げることを模索する」監督であることを再確認した。おそらく新シーズンのトッテナムは、選手こそ変われど、戦術的な変更はほとんどないだろう。

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