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日本代表 3か月前

U-23日本代表はやはり総力戦に強い。予選不在だった2人のアタッカーがもたらすバリエーション【西部の目/パリ五輪】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

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開会式に先立って行われたパリ五輪(パリオリンピック)の男子サッカー競技・U-23日本代表対U-23パラグアイ代表の試合は5−0で日本が勝利した。相手に退場者が出たとはいえ5得点の圧勝劇にはチームの連係の良さと交代出場の選手たちの躍動が随所に見えた。(文:西部謙司)

▽著者プロフィール:西部謙司

1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン、)近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。

冷静なビルドアップと左の攻め込み

U-23日本代表
【写真:Getty Images】

 19分に三戸舜介が先制。22分にU-23パラグアイ代表のワイルダー・ビエラが退場。これで試合の流れが決まった。後半に相手の運動量が落ちたところでU-23日本代表は次々に加点、終わってみれば5−0の大勝となった。

 パラグアイは組織的なプレスと攻守に球際の強さを発揮していて、中心選手のフリオ・エンシソの個人技も脅威。退場者を出さなければ互角の試合になっていたと予想される。それだけに5−0は望外の勝利だった。

 パラグアイは立ち上がりからハイプレスを仕掛ける。しかし、日本は落ち着いて後方でキープし、さらに前方へクサビのパスを通して前進できていた。三戸、細谷真大、斉藤光毅が相手を背負いながら的確にパスを捌いていた。

 パラグアイのハイプレスは、ディフェンスラインに1人余らせて行う。そのため木村誠二、高井幸大、藤田譲瑠チマのトライアングルに対しては2人で守る形になっており、日本は数的優位を生かして確実にボールを動かせていた。後方でフリーな選手を作れるので、そこから狙い定めて前方へフィードできた。

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