「個人技を封じ、数的優位を作られないようにしたい」
「彼とは友人だよ。コベルチャーノ(イタリアサッカー協会のナショナルトレセン)での研修で同期だしね。とりあえず明日(30日)は敵同士だが、その後はウディネーゼでの成功を願う」
29日、ミランvsウディネーゼ戦の前日会見で、インザーギ監督がある人物について言及していた。その男とは、以前インテルで監督を務めたあのアンドレア・ストラマッチョーニである。
失意の解任から1年のブランクを置き、監督業に復帰。ミラニスタの間には、12年5月のミラノダービー(インテルが4-2で勝利)の際に同監督が大はしゃぎしたことを根に持つものも多く、この日のミラネッロでは「絶対勝ってくれ」とインザーギに頼むファンもいたという。
さて、インテルでは運のなかったストラマッチョーニ監督だが、新天地ウディネではグイドリンの後釜という思いポストを継ぎながら、なかなか頑張っている。
ストロングポイントは、若手の育成と綿密な戦術対策。その彼はミラン戦を前に、記者会見でこう語っていた。
「ミランにあって我われにない武器とは、1対1で抜いてくる選手がいるということだ。我われにいたのはペレイラだけで、しかもユベントスに移籍した。一方でミランには、一人と言わず複数揃っている。メネズ、エル・シャラウィ、本田、そしてボナベントゥーラ。彼らの個人技を封じ、数的優位を作られないようにしたい」
個人技で局面を打開する選手の中に、ストラマッチョーニは本田のこともカウントしている。綿密なスカウティングをする彼のことだ、前節のミラノダービーで途中出場後、ドドを抜いてシュートに行くなど少ない時間でチャンスを作った本田のプレイはちゃんとチェックしたに違いない。