先制点を決めた阿部勇樹【写真:Getty Images】
J1第33節サガン鳥栖対浦和レッズが29日行われ、0-1でアウェイの浦和が勝利を収めた。
前節ガンバ大阪に敗れた浦和は、優勝のために是が非でも勝っておきたいこの試合。先発メンバーはG大阪戦と変わらないものの、その試合の終盤に強行出場した興梠慎三が負傷箇所を再び痛めてメンバー外に。
対する鳥栖も優勝の可能性を残しているとあって満員のホームスタジアムで浦和を迎え撃った。
試合は開始からゆったりしたペース。浦和がボールを持って鳥栖の綻びを探すが、全員で守る相手を前になかなか崩すことができない。
前半をスコアレスで終えた浦和だが、同じ時間にキックオフしたG大阪が前半だけで2点のリードを手にしており、引き分けで試合を終えると勝ち点で並ばれてしまう状況に。
後半に入っても得点につながるチャンスを作れない浦和は65分に梅崎に替えてマルシオ・リシャルデス、平川に替えて関根を投入して攻撃姿勢をより明確にする。
すると直後の67分、李がゴール前に突進すると、菊地がたまらず倒してしまう。そしてそれはペナルティエリア内。李を倒した菊地は一発レッドカードで退場になり、浦和にはPKが与えられた。
そのPKを阿部が決めて浦和が待望の先制点をゲット。退場者を出した鳥栖には苦しい展開となる。
その後は鳥栖も豊田を中心に同点ゴールを目指したが、やはり10人で浦和の堅いディフェンスを崩せない。
しかし、終了間際にドラマが。94分、パワープレーで前線に上がっていた小林がコーナーキックから同点ゴールを叩き込み、土壇場で引き分けに持ち込んだ。
最後の最後に勝利が手からこぼれ落ちた浦和は、この結果により勝ち点は63に。同じ時間にキックオフしたG大阪は神戸に勝利したため、同じく勝ち点63に並んだ。
昨年と同じく最終節までもつれる優勝争い。G大阪は浦和に対し、得失点差で7ゴール分優位に立っている。これにより次節G大阪は勝てば優勝。浦和はは大量得点で勝つか、勝利を収めたうえでG大阪が引き分け以下に終われば優勝となる。
一時期は浦和が絶対的優位を確保していた優勝争い。最後でG大阪が逆転するのか、はたまた勝ち点差2で迫る鹿島が奇跡の優勝を決めるのか。シャーレの行方に試合終了のその瞬間まで目が離せない。
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